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アライアンスもイノベーション

 そしてこのやり方は、コロナ禍の中で、あちこちで採用されましたが、別にコロナ禍でなくても成り立つことですし、これからも積極的にやった方がいいのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症というパンデミックは、人の往来ができなくなるという、まさに近年まれに見る大惨事といわれる出来事です。顧客はいるのに、何より、その顧客自身が動けないという、最悪の事態になってしまったのです。変な話です。ニーズはあるし顧客もいる。でも顧客が動けない。今まで、誰も経験したことのない最悪の事態になってしまったのです。

 ならば、こちらからニーズや顧客にアプローチすればいいことです。そのためには、今までのやり方にこだわってはいけません。飲食店が「お持ち帰り」をもっと積極的にするには、例えば、タクシー業者とアライアンスを組んでお互いに協力して「出前」をすればいいのです。電車もバスも郵便も皆で協働すれば、人手不足も解消しますし、今まで行けなかったところにも簡単に行くことができるようになるでしょう。

 繰り返しますが、ニーズも顧客もコロナ禍でなくなったわけではありません。ただ動けなくなっただけなのです。ニーズがあるのに、その事業フィールドにいる人が動けないのなら、異業種の人たちがアライアンスを組んであげましょう。それがフィールドアライアンスであり、アライアンスを組めば、この上ない強大な力になるのです。

 アライアンスもイノベーションです。

多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役、日経BP『リアル開発会議』アドバイザー、パワーデバイス・イネーブリング協会 理事
大学在学中の1970年、開発設計の受注を契機に創業。1988年にシステム・インテグレーションを設立し代表取締役に就任、現在に至る。新事業開発のプランナーとして事業の枠組みから製品の具体的仕様、販売計画に至るまで総合的に手がけ、3000件を超える開発実績を持つほか、現在までに延べ約800社を超える企業の技術顧問を務めている。