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 今回はパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体技術者検定エレクトロニクス2級(パワーエレクトロニクス)」の予想問題を紹介する。本稿ではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のトレードオフ特性について問う。IGBTのターンオフ過程のエネルギー損失とオン電圧にはトレードオフの関係がある。このトレードオフに寄与するプロセスパラメータはいくつもあり、これらを調整してIGBT性能を高める必要がある。検定に合格するためにはぜひ正解しておきたい。

 今回の問題の難易度は★★★である。本コラムでは紹介する問題の難易度を★の数(難易度に応じて1~5個)で表しており、★の数が多いほど難しい。今回は標準レベルの問題である。

【問題25】難易度:★★★

 図1に示すトランスペアレントコレクタIGBTにおいてターンオフ過程のエネルギー損失$E_{OFF}$とオン電圧$V_{ON}$のトレードオフ特性を描くプロセスパラメータに関し、以下の中で誤っているものを選びなさい。

  • (1)P+領域(コレクタ)の表面不純物濃度$N_{ACS}$を振ると$E_{OFF}$と$V_{ON}$のトレードオフ特性を描ける。
  • (2)エミッタ側電流通路幅$W_C$を振ると$E_{OFF}$と$V_{ON}$のトレードオフ特性を描ける。
  • (3)N-ドリフト領域の高レベルライフタイム$τ_{HL}$を振ると$E_{OFF}$と$V_{ON}$のトレードオフ特性を描ける。
  • (4)N-ドリフト長$L_D$を振ると$E_{OFF}$と$V_{ON}$のトレードオフ特性を描ける。
図1 トランスペアレントコレクタIGBT1セルの断面構造
図1 トランスペアレントコレクタIGBT1セルの断面構造
(出所:パワーデバイス・イネーブリング協会)
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