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 今回のコラムはパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体技術者検定エレクトロニクス2級(パワーエレクトロニクス)」の予想問題を紹介する。本稿では4H-SiCとSiの材料の違いでパワーMOSFET特性がどのように異なるかについて問う。4H-SiCのパワーMOSFETはSiのものに対して、高耐圧かつ低オン電圧(または低オン抵抗)になる。これらの値に関係する基本特性を押さえておく必要がある。検定に合格するためにはぜひ正解しておきたい。

 今回の問題の難易度は★★★である。本コラムでは紹介する問題の難易度を★の数(難易度に応じて1~5個)で表しており、★の数が多いほど難しい。今回は標準レベルの問題である。

【問題26】難易度:★★★

 4H-SiCまたはSiの材料からなるD-MOSFET(図1)の特性に関して、以下の中で正しいものを選びなさい。

  • (1)D-MOSFETオフ時のドレイン-ソース間ブレークダウン電圧(耐圧)$BV_{DS}$を4H-SiCとSiで同一にした場合、前者のN-ドリフト領域のドーピング濃度は後者のものに比べて約1桁高い。
  • (2)上記$BV_{DS}$を4H-SiCとSiで同一にした場合、前者のN-ドリフト領域に広がるブレークダウン時の空乏領域幅は後者のものに比べて約2桁小さい。
  • (3)上記$BV_{DS}$を4H-SiCとSiで同一にした場合、前者の理想特性オン抵抗(N-ドリフト領域の抵抗のみ考慮)は、後者のものに比べて、約2桁低い。
  • (4)4H-SiCからなるD-MOSFETの臨界電界(ブレークダウン時の最大電界)はSiのものに比べて約1桁高い。
図1 D-MOSFETの断面(4H-SiCまたはSiの材料からなる)
図1 D-MOSFETの断面(4H-SiCまたはSiの材料からなる)
(出所:パワーデバイス・イネーブリング協会)
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