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 今回のコラムはパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体技術者検定エレクトロニクス2級(パワーエレクトロニクス)」の予想問題を紹介する。本稿では次世代パワーデバイスとして注目を浴びる段階から実用段階を迎えた「GaN-HEMT(High Electron Mobility Transistor)」の特性と使われ方について問う。GaN-HEMTはSi-MOSFETに対して、高耐圧で低オン抵抗という特長がある。これらの値に関係する基本特性や使用法を押さえておく必要がある。検定に合格するためにはぜひ正解しておきたい。

 今回の問題の難易度は★★★である。本コラムでは紹介する問題の難易度を★の数(難易度に応じて1~5個)で表しており、★の数が多いほど難しい。今回は標準レベルの問題である。

【問題28】難易度:★★★

 GaN-HEMTの特性または使われ方に関して、以下の中で誤っているものを選びなさい。

  • (1)ノーマリオンGaN-HEMTのゲート・ソース間電圧がゼロの場合、2次元電子ガスの単位面積当たりの電子密度はおよそ1×1013cm-2である。
  • (2)ノーマリオンGaN-HEMTはノーマリオフSi-MOSFETとカスコード接続してノーマリオフとして使われている。
  • (3)ドレイン・ソース間ブレークダウン電圧1000VのGaN-HEMTの理想特性オン抵抗は、Si-MOSFETのものに比べて約3桁低下する。
  • (4)P型ゲートのGaN-HEMTはノーマリオフになる。