今回はパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体技術者検定エレクトロニクス2級」の「応用と品質」分野の問題を紹介する。
本稿で紹介するのは論理回路の「故障診断」に関する問題である。代表的な故障診断の手法に故障辞書法がある。故障辞書法では各テストパターンで検出可能な単一縮退故障を一覧表の形に表現する。実用上はEDA(Electronic Design Automation)ツールを用いて故障診断を行うことが多いと考えられるが、基本的な原理は理解しておいていただきたい。
今回の問題の難易度は★★★★である。本コラムでは紹介する問題の難易度を★の数(難易度に応じて1~5個)で表しており、★の数が多いほど難しい。
難易度:★★★★
論理回路の故障診断において、与えられたテストパターンに対する正しい故障辞書を表1の(1)~(3)の中から選びなさい。
図1の論理回路において各信号線X1、X2、X3、S1に対して0縮退故障および1縮退故障をそれぞれ仮定する。またテストパターンとしてT1(X1=1、X2=0、X3=0)、T2X1=1、X2=0、X3(=1)およびT3(X1=0、X2=1、X3=0)を入力した場合を考える。各テストパターンに対する故障辞書は表1のようになる。ただし、表の中では信号線XiまたはSiの0(1)縮退故障をXi/0(Xi/1)またはSi/0(Si/1)と表す。また検出のみを表示し空欄は未検出を示す。
