クルマの基本動作である「走る」「曲がる」「止まる」。最近では電動制御が進み、効率良く機構を動かせるようになった。本連載では基礎的なカーメカニズムについての理解が深まるように、その仕組みを分かりやすく解説する。
自動車ジャーナリスト
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エンジンの気筒休止機構(2)
気筒休止の仕組みは、構造により3種類に分類できる。V型エンジンの片側のバンクを一斉に休止させる「片バンク休止型」と、特定のシリンダーを休止させる「気筒選択型」、3気筒エンジンなどで順番に気筒休止を繰り返す「循環休止型」がある。
エンジンの気筒休止機構(1)
一時は忘れかけられたエンジンの気筒休止機構が、再び注目を集め始めている。大排気量のエンジンを中心に搭載されてきた同技術が、1.0Lクラスの小型エンジンでも必要になってきたからだ。気筒を休止させる方法は3種類に分類できる。
電動パワーステアリング:EPS(2)
最近、ADASの急速な普及が進んでいるが、これに関してもEPSの存在は欠かせない。自動ブレーキや先行車追従機能など加減速に関わる装備以外の運転支援には、操舵系の制御が必要となるからである。
電動パワーステアリング:EPS(1)
パワーステアリングは、運転者のステアリングホイールの操舵力を支援するシステム。従来の油圧式に代わり、最近増えているのがモーターを使う電動式である。モーターを配置する位置によって主に、コラム式、ピニオン式(デュアルピニオン式含む)、ラック式の3種類がある。
4代目プリウスのハイブリッドシステム(2)
2009年5月に3代目へと全面改良されたプリウス。モーターを小型軽量とするために高回転・高出力型として、遊星歯車機構により減速させることでトルクを増幅させた。動力分割機構とMG2の減速機構の二つの遊星歯車機構を背中合わせに組み合わせた構造を採用している(図3)。モーターへ供給する最大電圧は2代目の5…
4代目プリウスのハイブリッドシステム(1)
累計1000万台の世界販売が視界に入りつつあるトヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)。1997年に発売した初代「プリウス」から現行の4代目まで、トヨタはプリウスの世代交代に合わせてHEVシステムを見直してきた。最新のシステムでは、効率向上と低コスト化に磨きをかけた。
トルクベクタリング機構(3)
ブレーキ制御型は、旋回方向の内側後輪ないしは前輪のブレーキを作動させることにより、旋回モーメントを発生させることができるもので、ESCが搭載されている車両であれば制御ロジックを組み込むだけで実現できる。ESCは車体の姿勢が不安定になると作動する安全装置であるのに対して、トルクベクタリングは通常の走行…
トルクベクタリング機構(2)
ホンダの上級セダン「レジェンド」は先代モデルで機械式4WDの後輪左右の駆動トルクを変化させるSH-AWDを搭載していたが、現行のハイブリッドモデルでは左右の後輪を独立したモーターで制御することにより、より自由度の高い制御を実現している。
トルクベクタリング機構(1)
ステアリング操舵で前輪の角度を変える以外にも、車両に旋回力を生み出させる方法がある。(1)駆動輪の左右のトルクを可変制御、(2)ESCで左右輪の片方に制動力をかける、(3)ステアリングホイールの操舵に連動して前輪だけでなく後輪も回転させる4輪操舵──の三つである。