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日経Automotiveのメカニズム基礎解説「第21回:新型『プリウス』のハイブリッドシステム」の転載記事となります。

 2009年5月に3代目へと全面改良されたプリウス。モーターを小型軽量とするために高回転・高出力型として、遊星歯車機構により減速させることでトルクを増幅させた。動力分割機構とMG2の減速機構の二つの遊星歯車機構を背中合わせに組み合わせた構造を採用している(図3)。モーターへ供給する最大電圧は2代目の500Vから650Vへと高め、MG1のコイルの巻き方も変更し効率を高めている。

図3 トランスアクスルの構造を変更
図3 トランスアクスルの構造を変更
3代目プリウスは遊星歯車を2組使い、同軸上にモーターと発電機を配置していた。 4代目では、平行軸歯車で減速、遊星歯車で動力分割する機構に変えた。
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 エンジンは「1 NZ-FXE」型から「2ZR-FXE」型へと変更。排気量は1.5Lから1.8Lに拡大し、エンジンのみの走行となる高速走行時の燃費を改善している。この他、可変バルブタイミング機構の可動範囲を広げることでアトキンソンサイクルをより積極的に利用するようにした。クールドEGR(排ガス再循環)も採用した。アトキンソンサイクル吸気弁を遅閉じすることで実質的な排気量を減らす効果があり、幅広い走行領域で燃費性能を改善している。

 PCUは、2代目に比べて体積で37%、質量で36%の低減に成功した。ボディーの空力性能や転がり抵抗の低減など、シャシー部分での改善も積み重ね、10・15モード燃費は38.0km/Lとなった。