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中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント
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中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント

 図面の品質を高めるには、検図において7つのツールを使う必要がある──。そう指摘するのが、A&Mコンサルト 経営コンサルタントの中山聡史氏だ。同氏はトヨタ自動車でエンジンのシステム設計を手掛けた経験を持ち、「技術者塾」において講座「徹底演習で学ぶトヨタ仕込みの検図ノウハウ」の講師を務める。事実、トヨタ自動車はツールを用意して検図に臨み、図面の品質を維持している。検図の「7つ道具」とは何か。同氏に聞いた。(聞き手は近岡 裕)

トヨタ自動車では検図に必須のツールがあると伺いました。これにより、検図力を高めたり、属人的な検図に陥ることを回避できたりする、と。

中山氏:その通りです。トヨタ自動車には「標準化」することで機能や品質を高めていく文化があります。図面や検図についても同様です。

 私はトヨタ自動車での経験を踏まえた上で、他の企業の事情なども加えて分析し、図面の品質を高めるために必要な検図のツールを導き出してみました。その結果、7つのツールが必要だと判断しました。

検図の「7つ道具」を使いこなし、図面の品質を高めるというわけですね。では、それらを教えてください。

中山氏:まず、7つのツールを列挙しましょう。
[1]設計書
[2]機能系統図
[3]技術基準
[4]標準図
[5]公差基準
[6]DRBFM(FMEA)
[7]検図のチェックリスト
 以上となります。では、1つひとつ具体的に説明していきましょう。

道具その1:設計図とは何か

 まずは、[1]設計書です。

 製品のコンセプトから機能系統図を導き出し、それらの機能を実現する設計方針を立てます。そして、その設計方針を実現するために、どのような技術を選択するかを示したものが、設計書です。

 設計書があることで、検図者は図面を確認する際に、設計者がどのような技術を使ったかが明確に分かります。技術の内容については技術基準(後述)に記載されています。そのため、検図者は、技術基準と図面を比較することで、技術基準に書かれている内容が図面にきちんと織り込まれているかどうかを確認することができます。

 技術基準によって「過去の遺産」、すなわち過去の社内の技術ノウハウをまとめていたとしても、設計書がないと、そもそもどの技術が使われているのか設計担当者以外には分かりません。当然、検図者にも分かりませんから、図面の品質を保証できないということになります。