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 型を使ってつくる「成形加工」の最後は、鍛造(たんぞう)と圧延加工を紹介します。

 鍛造は鍛えて造ると書くように、ハンマーやプレス機で金属に大きな力を加えることで、形をつくると同時に、金属組織を緻密にして機械的性質の頑丈さを向上させる加工法です。その代表例に日本刀の加工があります。真っ赤に熱した鉄をハンマーで叩いている風景をテレビで見たことがあるかと思います。この加工は、形をつくりながら、鉄を強く鍛えています。

 また、クルマのタイヤを装着するホイールは、通常はアルミニウム合金の鋳造品ですが、スポーツカーなどの高級車には鍛造のホイールが採用されています。強いので使用量が少なくてよく、おおよそ20%の軽量化につながります。軽くなれば燃費も良くなり、加速性能も向上するわけです。

 加工温度による分類では、数百度に加熱して行うのが熱間鍛造で、常温で行うのが冷間鍛造です。金型を使う場合にはどちらも過酷な条件での加工になります。熱間鍛造では材料が高温のために金型も熱で傷みやすくなる一方、冷間鍛造では常温での加工のために、大きな力が加わります。プレス機も板金加工用よりも出力の大きい仕様となり、見上げるような大きさのプレス機も珍しくありません。同じプレスでも板金加工では材料厚みは変わりませんが、鍛造では材料の厚みが変化することも大きな違いです。