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寺倉 修 氏
寺倉 修 氏
ワールドテック 代表取締役、元デンソー設計開発者

 忘年会真っ盛りだ。私が経営する会社でも30人ほど集まって盛り上がった。全員ものづくりの経験が豊かで、深い知見に基づく知恵を生み出せる面々である。笑顔とエネルギーに満ちていた。このメンバーで、ビジョン「新たな価値と感動を創造し、全ての中高年に生きがいと笑顔を実現」を掲げ、ものづくりの伝承に取り組んでいる。

 ものづくりに必要な知見は、機械や電気、電子、半導体などの分野をX軸とすると、Y軸はプロセスである企画と開発設計、生産技術、品質、生産など、Z軸はコンポーネントやサブシステム、システムで表現できる。この座標で構成される業務空間で、それぞれの企業には埋めなければならない領域がある。私の会社の強みは、経験豊富な多数のメンバーにより、かなりの領域に対応できることだ。

 ものづくりには幅広い知見が必要である。年末は知見の棚卸しを行う良い機会だ。そこで、必要な知見の例を紹介しよう。

 以前、このコラムで品質不具合を未然に防止するための代表的な取り組みである「DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)」のメンバー(参加者)選定について取り上げた。メンバーは、複数の人が参加しさえすれば何とかなるというほど甘くはないと述べた。効果は参加するメンバーのレベルに大きく依存する。

 DRBFMでコンポーネントを取り上げるなら、その固有技術の観点から、設計や生産技術、品質、生産などの従事者が参加する必要がある。各種要素技術の観点からは、例えば材料(鉄鋼や非鉄、樹脂、ゴムなど)や加工(プレス加工、ダイカスト、冷間鍛造、切削など)、接合(ねじ止め、接着、カシメ、溶接など)、表面処理、はんだ付け、さらには生産システムなど、必要に応じて多方面からメンバーが参加しなければならない。

 これらのメンバーが集まって「気付き」を行う。気付きとは、故障モードとその原因を抜けや漏れなく抽出し、不具合が起こらないよう対策することだ。そのためには、メンバーの総知や総力を注がなければならない。