PR

人工知能は責任を取れない

 一方、レベル4に関しては、公道を走るようになるには時間がかかると私は思っています。統計的には人間と人工知能を比べた場合、人工知能の方が事故を起こす確率が低いという結果になるでしょう。しかし、それでも私は公道を走るのは難しいと考えています。理由は、「人工知能は責任を取れないから」です。

 加えて、もう1つ大きな理由があります。レベル4では、特定の条件では人間が運転をすると定義されています。人間が運転しなければならない状況とは、例えば大雨で視界が悪い場合や、路面が凍っている場合などが該当するかと思います。しかし、「自動運転できる」と思ったとき、人間に大きな油断が生まれます。つまり、運転しないことが日常になった途端、人間の運転技術と気持ちの準備はなくなるのではないかと思っています。

 ただし、一部ではレベル4またはレベル5の自動運転が今すぐにも実現するかもしれません。それは、自動運転専用道路や、工事現場、テーマパーク内といった私有地で低速走行する場合です。

日本の自動運転はどうなる?

 ドイツと米国、中国は自動車産業において新しい領域でのシェア獲得を狙っているため、自動運転に積極的です。でも、日本の自動車産業は販売が順調なこともあり、海外メーカーに比べてあまり焦りは見えません。

 2018年3月27日付日本経済新聞の記事によると、トヨタ自動車は、Uber Technologiesの事故を受け、米国での実験を中止しました(関連記事)。記事によると、トヨタ自動車社長の豊田章男氏は「自動運転は誰が最初にやるかというスピード競争じゃなく、目的は事故死ゼロ」と述べています。実に正しい考えだと思います。

 ただ、新しい技術革新をいつまでも先延ばしにするわけにはいきません。できることから取り組むしかない。

 結局、レベル3は先に述べた通り、技術ではなく責任の面から「自動運転」ではなく「運転アシスト」だと私は思います。それが十分に利用者に伝わっているのであれば、むしろ事故を少なくする技術でしょう。

 レベル3とレベル4の間には大きな違いがあり、それを認識した上で「自動運転」という技術を見ていかなければならないのだと思います。後は、自動車メーカー各社が開発すると同時に、日本もレベル3のクルマの一般販売に向けて法整備を進めるだけです。自動車は、間違いなく「燃料電池」「自動運転」「自動給電」が当たり前になると私は考えています。各国が今こそ日本メーカーを出し抜くチャンスだと思っているわけです。

 日本は技術大国であり続けようとするのであれば、ドローンや自動運転などの一刻も早い法整備で、安全に、かつ自由に新技術の開発ができる環境を整えなければなりません。