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日本の専門書にもその記載がない設計書

 当事務所は驚愕する事象を発見しました。それは──。図3を見て下さい。既存の専門書Aと専門書B、専門書Cに、なんと「設計書」の記載がなかったのです。これには驚きました。そこで、当事務所で学校教育を調査すると、建築系学科のカリキュラムには設計書が存在していますが、機械や電気・電子系、その他の学科には設計書がありませんでした。これ、何かおかしいですよね? ガラパゴス?

図3●日本の専門書にも記載がない設計書と設計審査
図3●日本の専門書にも記載がない設計書と設計審査
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料理に学ぶ設計書

 では、設計書と設計審査(デザインレビュー)に関して解説しましょう。先の通り、当事務所による調査では建築系には設計書が存在し、その設計書は審査されます。これを設計審査、またはデザインレビューと呼んでいます。

 しかし、機械や電気・電子系の企業には設計書がありませんでした。従って、設計審査もないのです。いや、設計書と言う審査対象物がないので、設計審査ができないのです。それでは、何を実施しているのでしょうか? 実は技術説明会を設計審査(デザインレビュー)と称しているのです。ISO9001の取得企業でもそうです。またまた摩訶不思議ですね。

 さらに、図4を見て下さい。料理における設計書がレシピです。弁当は「企画審査とレシピコンテスト」で審査を受けます。これが料理の審査です。コンビニ弁当に審査があって、工業界にないはずがありません。なければそれは、手抜きです。

図4●料理の設計書がレシピ
図4●料理の設計書がレシピ
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 ここで、もう1度振り返ります。設計書って何でしょうか? 「書」という文字が目に飛び込み、説明書や申請書、行政書士や司法書士が作成する契約書のことかなと想像してしまう人も多いことでしょう。確かに、設計書は書物の種類ですが、「机上試作」という「試作1」を(設計書の中で)実行する試作行為です。従って、現物を作る試作は「試作2」からになります。

 設計書の作成は、設計トラブルと開発費、開発納期の半減をあなたに提供してくれるでしょう。詳しくは「國井設計塾」のセミナーでお話しします。「なんだ、セミナーの宣伝か?」と思ったそこのあなた、違います! ここまでで若手の技術者は、設計書が「正統派の設計フロー」に存在していることだけを理解すれば、それで十分です。「飯炊き3年握り8年」。まともな設計書が書けるまでには3年を要します。今回は、そこまでの修行があることを理解してください。