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國井 良昌
國井 良昌
國井技術士設計事務所 所長

 次のような質問が私の事務所に寄せられました。

【質問30】

 私は長野県にある精密機械の機械設計と電気設計を担当しています。先生のコラムで「第22回 氾濫する設計ツールはオールリセット!」を読んで、非常に気が楽になりました。設計ツールのほとんどが、企業数で言えば全体の0.4%でしかない大企業寄りのツールであり、残りの99.6%を占める中小企業には、ほとんどが無関係というようなことが書いてありました。しかし、当社ではいまだに無用な設計ツールが氾濫し、かつ、がんじがらめの設計プロセスがあります。とても息苦しい毎日の設計部です。どうしたら楽しい設計職場になれるでしょうか? ご指導ください。

 この質問に対する私の回答はこうです。

【回答30】

 当事務所のホームページ内で「無料の質門コーナー」を設置しています。近年、若い設計者から、立て続けに舞い込んでくるのがこの類(たぐい)の質問です。何度かこのコラムでも取り上げました。本コラムの常連の読者には申し訳ないのですが、再度、これらの「無用な設計ツールの氾濫」や「がんじがらめの設計プロセス」を取り上げたいと思います。

 職場というものは、楽しい所ばかりではありません。また、苦しいだけの所でも問題があります。苦しさの中に楽しさを見いだすことがお勧めです。もちろん、全ての職業がそうであるとは言いません。ここでは設計者に限定しておきます。

 「ブラック企業」という単語が出現してからしばらく経ちました。当事務所のクライアント企業における設計部門に限定すると、社長、もしくは役員がブラック企業(ブラック設計部)のきっかけをつくっていますが、ブラック企業に育て上げているのは、なんと社員でした。従って、質問者のように、「どうしたら楽しい設計職場になれるでしょうか? ご指導ください」と、疑問や改善の精神を持つことが肝要です。

 さて、質問の中に少し心配なセンテンスがあります。それは、「とても息苦しい毎日の設計部です」というくだりです。きっと、質問者は憂鬱な日々を過ごしているのだろうと推察します。ですから、今回は質問者の職場が少しでも楽しみのある、願わくは「ワクワクドキドキできるような設計部」になることを目指してアドバイスします。

AKB48世界選抜総選挙を見た!

 突然ですが、ここで「AKB48世界選抜総選挙」の話をしましょう。アイドルグループの人気投票で、2018年6月16日に愛知県のナゴヤドームで19時から開催されました。結果は、図1に示すように、第1位は、松井Jさんで19万4453票、第2位が須田Aさんで15万4011票、第3位が宮脇Sさんで14万1106票でした。年齢は順に21、26、20歳です。そして、一気に飛ばして第100位が大家Sさんで14万488票、26歳。彼女たちの氏名や票数はネットでも検索できます。

図1●AKB48世界選抜総選挙の結果
図1●AKB48世界選抜総選挙の結果
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 総選挙のテレビ中継をじっくり見ていると妻から軽蔑されそうなので、チラリチラリと見ていました。日を変えて、筆者の教え子(大学生)から以下の内情を教えてもらいました。

 「恐らく、彼女たちは毎日が歌や踊りの厳しいレッスンの日々です。その中で、仲間との間で競争に次ぐ競争が繰り広げられています。世界選抜総選挙でファンからの好感度を得て上位を勝ち取るためには、特徴のある才能を磨かなくてはなりません。そうした日々の努力がなければ、20万票なんて、とても獲得できません」と。