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【質問】

 私は自動車関連の設計者で、入社12年目です。当社では数年前に某コンサルタント企業と契約して、FMEA(Failure Mode and Effects Analysis;故障モード影響解析)やデザインレビューを指導していただきましたが、どれも複雑過ぎて今では完璧に形骸化しています。従って、設計ミスによるトラブルは減少するどころか増加しています。そこで先生に質問です。どうすれば、トラブルが減少するのでしょうか? 

 この質問に対する私の回答はこうです。

【回答】

 FMEAやデザインレビュー(設計審査)に工数をかけているのに、トラブルが一向に減らない。これは多くの企業の悩みの種です。改善するには年月がかかりますが、言葉で説明する分には簡単です。以下の通りです。

  • [1]複雑で重たいFMEAを1度リセットする(放棄する)。
  • [2]複雑で重たい設計審査を1度リセットする。
  • [3]複雑で重たい各種ツール〔品質機能展開(QFD)など〕を1度リセットする。
  • [4]リセットしたFMEAや設計審査を、簡単でシンプルなツールに置き換えてみる(選択し直す)。
  • [5]再選択したFMEAや設計審査の開催に「楽しさ」や「楽しみ」を見いだす。
  • [6]再選択したFMEAや設計審査の開催を「教育の場」とする。
  • [7]匠のワザ(1)〜(6)を学ぶ。
  • [8]特に、匠のワザ(3)を学び、修業を重ねる。

 これらのうち、[1]~[6]までは本コラムの第22回「氾濫する設計ツールはオールリセット!」を再読してください

* 書籍「ライバルを打ち負かす設計指南書『攻めの設計戦略』」(日経BP)の第2章にも詳しく書きました。

 今回は、このうち[8]の匠のワザ(3)を解説します。

4つ存在するトラブル完全対策法を学ぶ

 私の事務所では、クライアント企業に「10年先輩を追い抜くワザ」と命名されている匠のワザ(3)、別名「トラブル完全対策法」を学んでもらいます。なぜ、10年先輩を追い抜けるのか。職場の諸先輩達が学んでいる可能性は極めて低いからです。このトラブル完全対策法は学校では教えていません。いわゆる「設計職人」が口頭で伝授してきたワザなのです。それを習得すれば、知らない人よりも先にいけるはずです。

 この匠のワザ(3)は、図1の通り4つの設計思想に分類されます。今回は「フールプルーフ設計思想」に注力してみましょう。

図1●4つのトラブル完全対策法
図1●4つのトラブル完全対策法
(出所:國井技術士設計事務所)
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