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【質問】
 國井先生のセミナーで「10年先輩を追い越すワザ」に興味を持ちました。学校でも職場でも聞いたことがない内容だったので、とても新鮮で刺激を受けました。そこで、「4つのトラブル完全対策法」ですが、そのうちのセーフライフ設計思想に関して、もう少し詳しく教えてください。実は、私が勤める会社(愛知県)は、とにかく安全率を駆使して成り立っている「航空機産業」なのです。よろしくお願いします。

 この質問に対する私の回答はこうです。

【回答】
 愛知県は航空機産業が盛んなようですね。「零戦友の会(仮名)」のメンバーである私にとっては、とてもうらやましい限りです。ところで、「10年先輩を追い越すワザ」ですが、さすがに、私が執筆した書籍を読んだりセミナーを聞いたりするだけでは、先輩たちを追い越すことはできません。そこで学んだことを実践してください。実践あるのみです。設計者になるには訓練や修業が必要です。従って、私は設計者を設計者とは呼びません。設計職人と呼んでいます。さて、質問の「セーフライフ設計思想」ですが、本コラムの限られたスペース内という制限の中でできる限り解説しましょう。

セーフライフ設計思想とは

 「トラブル完全対策法」は匠(たくみ)のワザ[3]の内容です。第43回では「フールプルーフ設計思想」を解説しました。今回は、図1に示す「セーフライフ設計思想」を解説します。

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図1●4つのトラブル完全対策法
図1●4つのトラブル完全対策法
(出所:國井技術士設計事務所)
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 4つ存在するトラブル完全対策法のうち、2番目がセーフライフ設計思想です。図2がその絵辞書となります。

 セーフライフ設計思想とは、設計寿命内で決して故障しないことを、安全率の向上などを施して検証した設計思想です。

 それでは、恒例の身の回りの事例を探してみましょう。

  • [1]エレベーター:破断しない安全率に設定された昇降用のワイヤ。
  • [2]自動車:破断しない安全率に設定された、前部エンジン後輪駆動(FR)方式の自動車の車軸(ドライブシャフト)。
  • [3]航空機:厳しい状況でも割れにくい安全率に設定された窓ガラス。
  • [4]トラック:クラック(ひび割れ)の入らない安全率に設定されたタイヤのハブ。
  • [5]アルミ電解コンデンサー:度々パンクする85℃品から105℃品へ。
  • [6]電球:すぐに切れてしまうタングステン線電球からLED電球へ。
  • [7]腕時計:酸化銀電池やリチウム電池から太陽電池充電の腕時計へ。
図2●トラブル完全対策法の2番目がセーフライフ設計思想
図2●トラブル完全対策法の2番目がセーフライフ設計思想
(出所:國井技術士設計事務所)
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