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【質問】
 先日、國井先生がセミナーで「世界最新の『ダメージトレランス設計思想』を知らずして、設計のうんちくやトラブル未然防止のうんちくを語るな」と言いました。正直に言って、ショックを受けました。ショックが大きく、ダメージトレランス設計思想の解説がいまいち頭に入ってきませんでした。すみませんが、もう一度教えていただけませんか。

 この質問に対する私の回答はこうです。

【回答】
 複雑なFMEA(故障モード影響解析)やFTA(故障の木解析)などの道具を使用する前に、“設計職人”としてのワザを磨くことの重要性を私はいつも指摘しています。設計職人になるには、設計のワザを身に付けるための日々の「修業」と今後の自己研鑽が必要です。しかし、こうした私の指摘と自分の現在の仕事があまりにかい離しているために、ショックを受けてしまったのですね。仕方がありません。もう一度、ダメージトレランス設計思想について解説しましょう。

世界最新のダメージトレランス設計思想を学ぶ

 現在、本コラムでは「10年先輩を追い越す匠のワザ」として、設計職人を育成するための匠(たくみ)のワザ[1]〜[6]までを伝授している最中です。匠のワザ[1]と[2]は終了しており、匠のワザ[3]が「10年先輩を追い越す匠のワザ」の骨格を成す「トラブル完全対策法」で、全部で4つあります。このうち、以下の3つについては解説を済ませました。[1]フールプルーフ設計思想、[2]セーフライフ設計思想、[3]フェールセーフ設計思想、です。そして今回は、世界最新の「ダメージトレランス設計思想」を解説します(図1)。

図1●4つのトラブル完全対策法
図1●4つのトラブル完全対策法
出所:國井技術士設計事務所
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