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【質問】

 國井先生の検図に関するセミナーを受けて、とても驚いたことがあります。(1)検図とは技術者の4科目であるQ(Quality:品質)とC(Cost:コスト)、D(Delivery:期日)、Pa(Patent:特許)をチェックする設計プロセスである、(2)日本におけるほとんどの企業が検図を実施していない――という点です。確かに、弊社の検図でも、実施しているのはQのみです。そこで質問です。Qの次に重要なC、D、Paはどのように検図すればよいのでしょうか。

 この質問に対する私の回答はこうです。

【回答】

 質問を送ってくれるのは大変嬉しいのですが、質問の文中に「Qの次に重要なC、D、Paはどのように検図すればよいのでしょうか」とあります。先日のセミナーでは、これを丸1日かけて説明したので、ちょっとがっかりです。でも、私も若い時にはそうでした。今回は大目に見て、質問に回答しましょう。

 私の検図セミナーは、予想に反して毎回ほぼ満席状態です。なぜ、「予想に反して」なのかといえば、多くの日本企業の検図は次のような点しか見ていないからです。

  • ①JIS製図法に沿って作図されているか否か
  • ②誤記の有無
  • ③寸法抜けの有無
  • ④最適な公差が記入されている否か
  • ⑤加工できるか否か

 そのため、セミナーもこれらにそったものがほとんどです。しかし、私の検図セミナーには一切ありません。従って、「予想に反して」なのです。

検図とは、技術者の4科目をチェックすること

 では、検図のセミナーで私が何を指導しているかといえば、技術者の4科目であるQ、C、D、Pa(QCDPa)をチェックすることです。これをもって検図と称しています。図1は、私の事務所のコンサルタントメニューである「技術者の4科目」と「技術者の主要3科目」です。

図1●技術者の4科目と技術者の主要3科目
図1●技術者の4科目と技術者の主要3科目
(出所:國井技術士設計事務所)
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 図中の黒丸は各部門に必須の科目を示しています。ここから分析しても、Q>C>D|Paの重し付けがあることが容易に想像できます。ここで、Paの前に位置する縦線「|」ですが、PaはQの前でもない、Cの前でもない、とにかく重要という意味です。

 さて、話を検図に戻します。私の事務所のクライアント企業では、Paは検図ではないときに別枠でチェックします。そのため、私の事務所の検図とは、技術者の主要3科目であるQCDをチェックします。また、この主要3科目には、「Q>C>D」の重し付けが存在します。

検図ができない日本企業の実態

 図2は、私の検図セミナーで実施する「個人実習(その1)」です。ここで私は、この図面に関して「あなたの検図箇所を5分で書いてください」という課題を出します。

図2●筆者の検図セミナーにおける個人実習(その1)
図2●筆者の検図セミナーにおける個人実習(その1)
(出所:國井技術士設計事務所)
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 すると、受講者の回答は、見事に先に述べた①〜⑤にそったものとなります。もう9年間も実施しているセミナーですが、日本企業の検図はQの項目しか出てきません。CやDは、自信を持って「皆無」といえます。