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【質問】

 私は、國井先生のコンサルテーションを受けている中小企業の経営者兼技術者です。先日、先生から「出図チェックリストが1枚もないのは、お宅の企業だけだよ!」とお叱りを受けました。さらに、先生から「板金、樹脂、金属切削」が機械加工の3大要素であると教わりました。大変厚かましいのですが、そのうちの1つでも構いませんので、「出図チェックリスト」を見せていただけないでしょうか。

 この質問に対する私の回答はこうです。

【回答】

 「出図チェックリスト」という単語を聞いても、一度も見たことのない技術者には何のことかチンプンカンプンでしょう。出図チェックリストとは、検図プロセスの基本中の基本ですから、今回は新入社員にも理解できるように解説しましょう。

 「出図チェックリスト」の「出図」を取って、「チェックリスト」と表記すれば、中学英語で理解できるのではないでしょうか? チェック(Check)とは何かというと、「検査する」ことだと思いがちです。間違いではありませんが、英和辞典にもWebにも「検査」の文字はあまり出てきません。一方、検図は、「Drawing Check」「Check of Drawing」となります。Checkとは、確認や照合と訳すのが一般的です。

 英会話で「Check, Please!」と言うと、「会計をお願いします」となりますが、直訳すれば、「私が飲み食いした相当の金額の確認をお願いします」となるかと思います。従って、ここでもCheckは確認や照合と訳すことになります。

 次に、リストとは「一覧」と訳します。つまり、「図面チェックリスト」とは、「図面と照合する(設計的な重要項目の)一覧表」と訳すことができます。

 ビジネスで広く使われている有名な単語に「PDCA」があります。ご存じの通り、以下のようになります。

  1. Plan(計画):ある活動や業務などの計画を立てる。
  2. Do(実行):上記の計画に沿ってその活動や業務を実行する。
  3. Check(確認):その活動や業務が、計画通りに実行されているか否かを確認する。
  4. Action(改善):その活動や業務が、計画通りに実行されていない部分を改善する。

 ここでも、「図面チェックリスト」とは、「図面と(重要項目を)照合する(確認する)一覧表」と訳すことができます。

初めての海外出張に必須のチェックリスト

 今回は、新入社員にも分かるように解説しますと宣言したので、「出図チェックリスト」を解説する前に、まずは身近な「海外出張チェックリスト」を図1に掲載します。

 図1のNo.2の「パスポートのコピー」の必携について説明しましょう。海外でパスポートを盗難されたり紛失したりした場合、大使館や領事館で手続きをします。国内でさえパスポートの再発行は1〜2週間かかります。一方、多くの方はツアーや仕事を中止して、即日本へ帰国することを望みます。その場合に限り、旅券に代わる「帰国のための渡航書」が発給されます。

 しかし、大使館や領事館に入るにはパスポートが必須なので、まずは現地の警察署で「紛失・盗難届出証明書」を発行してもらいます。ここからは嫌になるほどの書類が必要で省略しますが、最難関が国籍を証明するための本人確認書類です。本来なら戸籍謄本(抄本)の原本がベストですが、「帰国のための渡航書」は緊急発行を前提としているので、それを取り寄せる時間はありません。そこで例外として、パスポートのコピーが認められるケースがあります。さらに付け加えると、運転免許証やマイナンバーカードがあれば、もっと有利になるでしょう。

図1●海外旅行(出張)に必携のチェックリスト
図1●海外旅行(出張)に必携のチェックリスト
(出所:國井技術士設計事務所)
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 ただし、全ての国や万人が同じとは言いません。あくまでも、私の事務所の経験に基づく情報です。「海外旅行で命の次に重要なのはパスポート。それに代わる証明書が簡単に発行されるはずはない」と思っていた方が無難でしょう。