PR
中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント
[画像のクリックで拡大表示]
中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント

 現在世の中にある製品は、過去の製品と比べると信頼性や品質が格段に高くなっています。消費者の要求をかなえていった結果、今の高精度の製品があると言っても過言ではないでしょう。

 確かに、技術先行型の製品(シーズ志向型製品)も存在します。しかし、世の中に初披露した時はシーズ志向型製品であっても、それが浸透してしまえば、ニーズ志向型製品に変化します。消費者である顧客の要望や使い方を知り、競合他社が実施していない価値を付けて提供することになります。ただし、いくら顧客の要望を取り入れても、競合他社と似た製品を造るだけではコスト競争にしかなりません。そうした場合、資本力のある会社に負けてしまいます。

 ありきたりな機能を備えただけの製品に魅力はありません。他社より一歩進み、顧客の潜在的なニーズを探して製品開発する必要があります。そのために大切なのが「商品企画書」です。商品企画書とは、顧客の潜在的なニーズを探り、それを文章にして、誰が見ても分かる状態にしたものです。今回は、商品企画書の「あるべき姿」を考えてみたいと思います。

 あるべき商品企画書は、次の5つの内容で構成されます。

[1]商品コンセプト(企画者の想いや考え方)
[2]ターゲットとする顧客
[3]訴求点、差異化する点
[4]利益計画
[5]顧客へのセールスポイント

 このうち、特に詳細に検討すべき内容は、[5]の顧客へのセールスポイントです。[1]〜[4]については、どのような商品企画書でも明確になっていると思います。では、顧客へのセールスポイントとは何でしょうか。基本的には、次の3つの要素でセールスポイントが決まると考えられます。

[1]見て分かる

 営業担当者からの説明がなくても、商品を見ただけで顧客が感じ取れるポイントを明確にします。感性に訴えかける部分や、顧客が困っていることを解決できる部分などが、そのポイントに相当します。使って分かる前に、見ただけで使い方が分からなければなりません。

 例えば、自動車の車内スイッチが参考になります。説明書を読まなくても、スイッチに描かれた絵を見ただけで、何のためのスイッチであるかを理解できます。

[2]使って分かる

 使ってみると、カタログに記載した訴求点や差異化した点がすぐに理解できるようにします。営業担当者が言葉で説明した内容が、使うことですぐに実感できるできるようにするのです。

 好例は、自動車の走行モードです。顧客の気分に応じて、多彩な乗り味を楽しむことができます。例えば、エコモードで燃費優先の走り、ノーマルモードで走りと燃費のバランスの良さ、スポーツモードで加速の良さなど、走行モードごとに異なるワクワク感やドキドキ感を実感・体感してもらいます。

[3]使い終わって分かる

 製品を使い終えて買い換える際に感じるポイントを明確にします。例えば、廃棄のしやすさや、リサイクル性の高さ、リセールバリュー(再販時の価値)の高さなどです。使い終わった瞬間も顧客にメリットを感じてもらうことにより、再び同じ自社製品を購入してもらえるように顧客を導くのです。

 例えば、軽量で軟らかいペットボトルです。飲み終わった後、小さく絞ってコンパクトにして廃棄できます。