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 前回、海外で発生し得る事業上のリスクについて述べた。中でも労働争議問題は、生産拡大が続く新興国の拠点経営者を悩ます大きな問題だ。新興国の場合、組合が未成熟で、経営側の説明が理解されず、労使交渉の場でまともな話し合いができないケースが多い。さらに組合の大会に上部団体の幹部が参加して指示することもある。上部団体は、国によっては政党の下部組織に位置づけられており、それらの影響を排除できない場合がある。

 労働争議がさらに発展すると、残業拒否やストライキにとどまらず、生産を妨害する行動に至ることもある。そうなると、経営側が従業員をロックアウトせざるを得ない事態となる。

 そのような労働争議は、生産に支障を来すだけではなく、経営そのものに甚大な影響を及ぼすだけに、出向者にとっては頭の痛い問題だ。国や企業によって事情が異なるので、対応策は一律ではないが、事態の悪化を招かないよう、できるだけ手は打っておきたい。