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 本コラムの主要な読者である技術者が、海外工場などの経営責任者として赴任を命じられたとしよう。「経営として何を管理すればいいの?」と不安を感じるに違いない。日ごろ、財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)をはじめとする経営数値を見る機会は少ないだろうから、不安を覚えるのはもっともなこと。

 「利益を出すことに専念すればいいのでは?」と思った方も多いかもしれない。しかし、ときどきこんな声を聞く。「利益は出ているので大丈夫と思っていたのに、増産に向けて設備投資をしようとしたら経理責任者からお金が無くて融資を受けないと投資できないと言われた。どうしてそんなことになっているのか分からなかった」――。実は、事業拡大期にはこうした事態がよく起こる。

必ず確認している「お金」

 だが、難しく考える必要はない。工場の経営推進の管理は家計と同じなのだ。では、皆さんの家庭では何を確認しているだろうか。家計簿をつけている人もいれば、どんぶり勘定で済ませている人もいる。しかし、誰もが絶対に確認していることがある。それは「お金が幾らあるか」だ。

 銀行口座に幾ら、手元に幾らと、お金の量だけは絶対に見ているはずだ。給与が振り込まれたり、カード会社から請求が来たりすれば、口座の残高を確認するはずだ。何に幾ら使ったかを管理していなくても、お金が幾らあるかは必ず確認するということだ。

 経営も同じこと。日々の経営推進の中で絶対に確認すべきは「お金」なのだ。お金があれば会社が潰れることは無い。