PR
高収益化支援家、弁理士 中村大介
[画像のクリックで拡大表示]
高収益化支援家、弁理士 中村大介

 「このようにすれば、有意義な活動になるような気がします」。クライアント企業の担当者であるAさんがこう言いました。「技術戦略策定」という活動での言葉です。

 技術戦略策定のコンサルティングでは、クライアントに特許を含めたさまざまな情報収集を行ってもらいます。網羅的な情報収集を実施することで、自らが知らなかったことを知り、コア技術の用途を十分に探るためです。自分が知らなかったことを知ることは非常に重要なアイデアの源泉です。

 Aさんも、しばらくはこの技術戦略策定の考えに従って情報収集していました。しかし、Aさんは普段からかなりの情報収集を行っているため、実質的に技術戦略策定と同じような情報収集を実施していました。そのため、普段から実施していることを形を変えて実行しても、コンサルティングの場を有意義にすることは難しいと感じたようです。そう感じた段階で、私に相談に来ました。

 実は、この種の相談は珍しいことではありません。なぜこうしたことが起こるかといえば、クライアント企業のレベルが反映されたものだからです。

 分かりやすくするために受験生に例えます。塾では、受験生のレベル分けをします。レベルに応じて教える内容が違うからです。そのため、塾では入塾時に試験をすることによって学力を判定し、クラスを振り分けます。

 Aさんに話を戻すと、試験で高得点を出した受験生のように、普段の努力レベルが高いということが分かりました。そこで、私たちは以下のような会話を交わしました。

Aさん:「網羅的に調べてみたのですが、これ以上網羅的に調べても実りが少ないように思います」
私:「そうなんですね。普段からこのような情報収集を行っているのですか?」
Aさん:「網羅的に収集していたつもりはなかったのですが、結果として、これまでも網羅的に収集していたようです」
私:「普段から素晴らしい努力をしているのですね」

 受験の例に戻ると、基礎が十分に出来たレベルの高い受験生が何をするかといえば、志望校に絞った学習ではないでしょうか。志望校の出題傾向を把握し、それに対応できる能力形成をできるようにするでしょう。

 技術戦略策定でも同じことです。出したいアイデアやテーマに沿った情報収集を行うことになるのです。Aさんと私は続けて次のように話しました。

Aさん:「このままでは有意義にはならないのですが…」
私:「確かにこのままではいけません。普段の努力が素晴らしいと分かったのですから、次にすべきことは、御社に合った情報源を見つけることです。」
Aさん:「情報源?」
私:「そう、情報源です。心当たりはありませんか?」

 会話を続けているうちに、それまで渋い表情だったAさんの顔が徐々にほぐれてきたのを記憶しています。最後にAさんは次のように言って会話を締めくくりました。

Aさん:「このようにすれば、有意義な活動になるような気がします」

[画像のクリックで拡大表示]

技術戦略策定活動

 ここで、技術戦略策定に関して少し説明しましょう。技術戦略とは、基盤技術を充実させるための計画を作る活動です。基盤技術とは製品、またはサービスを作る技術(群)のことです。「技術プラットフォーム」とも言います。技術企業では、将来どのような商品・サービスを作っていくかをイメージしながら、基盤技術を開発する計画を立てます。この計画を立てる活動が技術戦略策定です。

[画像のクリックで拡大表示]

 Aさんの会社では、技術戦略をこれまで作ってこなかったため、行き当たりばったりと言っては失礼ですが、“出たとこ勝負”の基盤技術になっていました。そこで技術戦略策定をスタートさせたところ、前述のような状況になりました。Aさんのように普段から情報収集している人の場合、ありきたりの情報では満足できないのです。