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 若手社員がなかなか育たない。教えてもさっぱり成果が出ない──。皆さんの職場で、このようなことはないでしょうか。

 「どのような指導をしていますか?」と尋ねると、「OJTで指導しています」という答えが返ってきます。でも実際は、先輩と現場で一緒に作業しているだけ、という状況がよく見受けられます。先輩の作業を見て、試行錯誤しながら時間をかけてスキルを高めていくという方法はOJTではありません。

 OJTとは「On-the-Job Training」の略です。日常の職場で業務を行いながら、上司や先輩から部下や後輩へ、仕事に必要な知識やスキルを「意図的」「計画的」「継続的」に指導し、修得させていくことを意味しています。

OJTの目的

 OJTを実施する目的は、即戦力の育成です。終身雇用と年功序列が問題なく稼働している時代は、大多数の会社が、時間をかけて人材を育成していくという考え方でした。しかし、日本的雇用システムが崩壊し、早期離職率が高まるにつれて、より早く確実に人材を戦力化する必要性が生じてきました。

 先輩社員の立場から見ても、会社が自分に対して適切な教育をしてくれないと感じたら、「何とか自分で頑張ろう」と考えるよりも、「もっと自分を大切にしてくれる会社を探そう」ということになります。適切な教育が行われなければ、人材の流出リスクが高まるということなのです。

OJTができない理由

 OJTがうまく回らない理由として、次のようなことがあります。

[1]時間的な余裕がない

 人材育成には時間もパワーも必要です。 教育係となる上司や先輩は、自分の業務を持ちながら指導をしなければならないので、どうしても負担が大きくなります。

 人事担当者や管理者はOJT計画の立案や検討に積極的に関わり、教育係の負担を軽減して、業務に影響が出ないようにサポートしていくことが大切です。

[2]教育係の能力に依存してしまう

 上司や先輩は専門講師ではないため、指導スキルにはばらつきがあります。初めて教える立場に立ったときには、何をどのように教えてよいか分からない、という状況に直面します。教育係として後輩とどのようにコミュニケーションを取り、どのような内容を教えるかを明確にしておく必要があります。

 加えて、教育係の持っている知識や能力、態度によっても教育の質は大きく左右されます。指導の質を安定させるために、教育係への「教え方」の指導を行う必要があります。

[3]OJTに取り組むための仕組みがない

 「職場全体で若手を育てよう」とスタートしても、OJTが始まった途端、教育係に任せっきりにしてしまっているのをしばしば見掛けます。職場内でどのように役割分担して指導を行っていくかをメンバー全員で真剣に考える必要があります。

 手間がかかる割に成果の見えづらい人材育成。これに優先順位を上げて取り組むためには、会社としての仕組みやサポートが不可欠なのです。