
電車の待ち時間や乗車時間、アポイントとアポイントの間、クルマでの移動中、人を待っている時間など──。自分の1日の仕事を振り返ってみると、予定と予定の間に生じたちょっとした暇や余裕がたくさんあることに気づくはずです。これが「スキマ時間」です。
ちょっとしたスキマ時間でも積もり積もれば山となり、膨大な時間になります。たとえ毎日1時間程度だとしても、1年で360時間、20年では7200時間にもなります。スキマ時間の活用は、生産性向上のキーポイントになります。
スキマ時間を活用する重要性は分かっていても、実際にどうすればそうした時間をうまく使えるのでしょうか。
いつ、どこで、どれくらいの時間が空くのか、暇があるのか、事前に把握することは難しいものです。時間が空いたときに「まだちょっと時間がある。さてどうしようか? 10分程度じゃ何もできないな…」と、時間を持て余して、結局何もしないままボーっと過ごしたり、ネットサーフィンやスマートフォンのゲームなどで時間をつぶしたり、といったことが多いのではないでしょうか。
スキマ時間をムダにしてしまうのは、事前に「スキマ時間に何をするか」が決まっていないからです。つまり、スキマ時間を使うための態勢が整っていないということ。事前にスキマ時間を使って何をするのかを決めていないと、結局、時間をムダに過ごしてしまいます。これを避けるために、時間の長さに応じて、すべき仕事を決めておくことが大切なのです。
スキマ時間にできることを書き出す
そこで、まずスキマ時間にやりたいことを書き出してみましょう。スキマ時間にできる作業とは、次のようなものです。
[1]オフィス業務の補完作業
関係部門への連絡や、日報の作成、メールチェックなど。オフィスでの業務を補完する作業です。
[2]次の仕事に向けた作業
インターネットで調べ物をしたり、企画案を考えたりするなどの作業です。次の仕事に向け、目的を持って情報収集することが大切です。
[3]自分への投資
読書やオンラインでの資格の勉強など、自分に対する投資です。また、計画や目標を書いた手帳を読み返し、今後すべきことの確認や自身の価値観を見つめ直すこともできます。
[4]迷っていることを決断
取引先との会食への参加者の選定や場所をどうするか、週末の予定をどうするかなどはスキマ時間に決めると、後で悩む時間を減らすことができます。
[5]心身のメンテナンス
ストレッチをしたり、音楽を聴いたり、瞑想や仮眠などの適度な休憩を挟んだりすることです。スキマ時間を心身のメンテナンスやリラックスにあてるのです。能力の限界に挑むアスリートが試合前に好きな音楽を聴いてモチベーションを高めるように、自分の「勝負曲」を用意しておいて、いつでも聴けるようにしておくのもよいでしょう。また、15~20分の短い眠りが脳の認知機能を高め、作業効率を向上させることが実証されています。