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 言うのもいささか気恥ずかしいが、初めて「東京オートサロン(TAS)」に足を運んだ。これまではカスタマイズドカー(改造車)の祭典という認識があり、あまり興味がなかったのだが、2021年の秋に「東京モーターショー」が開催されなかったこともあり、今回のTASには「代理モーターショー」として新型車をお披露目するメーカーが多い。このためオミクロン型のことは気になりながらも幕張メッセまでステアリングを握った。

2年ぶりに開催された東京オートサロン。入場には事前登録が必要なうえ、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」のインストールや、千葉市コロナ追跡サービスへの登録が求められるなど、ものものしい雰囲気だった(筆者撮影)
2年ぶりに開催された東京オートサロン。入場には事前登録が必要なうえ、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」のインストールや、千葉市コロナ追跡サービスへの登録が求められるなど、ものものしい雰囲気だった(筆者撮影)
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Zは「500万円台前半」からか

 まず向かったのが、新型「フェアレディZ」の国内仕様を初めて公開した日産自動車のブースだ。

 ところが……ちょうどその時間には、新型Z開発責任者である日産商品企画本部商品企画部チーフ・プロダクト・スペシャリストの田村宏志氏とスーパーGTドライバーの松田次生氏の対談が実施されており、会場には入場制限がかかっていて入場できなかった。

 その後、対談が終わったころを見計らって再度ブースを訪れたものの、やはり人数制限のため入場を待つ列に並ばなくてはならなかった。他のブースでも、入場者数の制限は実施していたが、日産のほかに並ばされたブースはなく、Z人気を実感した。筆者が訪れたのは関係者のみが入場できるビジネスデイの1月14日だったのにこのありさまだったのだから、一般公開日にはかなり混雑したのではないだろうか。

初めて国内仕様が公開された新型「フェアレディZ」(筆者撮影)
初めて国内仕様が公開された新型「フェアレディZ」(筆者撮影)
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 初めて日本仕様が公開された新型フェアレディZは、全長4380×全幅1845×全高1315mm、ホイールベース2550mmと、先代Zより全長は120mm長いものの、全幅や全高、それにホイールベースは等しい。これはプラットフォームを先代Zから流用しているからで、型式もZ34で先代と変わらないのは既に有名になっている。つまり型式上では新型Zは大幅な部分改良という位置づけなのだ。

 最近だと、全面改良に近い大幅な部分改良を実施した車種として、トヨタ自動車の「レクサス IS」がある。新型ISは外観が大幅に変わったものの、内装ではインストルメントパネルを流用しており、新鮮味が少ない。

新型「フェアレディZ」のインストルメントパネル。部分改良という位置づけとはいえ、先代からはデザインが一新された(写真:日産自動車)
新型「フェアレディZ」のインストルメントパネル。部分改良という位置づけとはいえ、先代からはデザインが一新された(写真:日産自動車)
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 そこへ行くと新型Zは内装も一新しており、通常なら全面改良と言っても問題ないレベルで変更されている。それでも型式を変更しなかったのは、型式認定のコストを削減し、少しでも価格を抑えるためのようだ。

 新型Zの価格は現在、特別仕様車の「プロトスペック」の696万6300円(税込み)だけが公開されている。ただしこれは「全部入りの一番高い価格」(田村氏)であり、今後発表されるベースグレードの価格は「500万円台前半」(同)に設定されるという。

 先代Zのベースグレードの価格が約400万円だったのに比べると高いように見えるが、エンジンを先代のV型6気筒3.7L自然吸気から、「スカイライン400R」にも搭載されているV型6気筒3.0L・ツインターボに切り替え、最高出力は先代が247kW、最大トルクが365N・mだったのに対して、新型Zは最大出力298kW、最大トルクは475kWと、最高出力で約21%、最大トルクで約30%も向上している。

 また変速機も、先代の7速自動変速機(7AT)から、新型Zでは日産の国内販売車では初めてとなる9速自動変速機(9AT)に切り替えるなど、パワートレーンを全面的に刷新し、走行性能を大幅に高めていることを考えると、あながち高いとも言えないような気もする。