全3004文字
PR

 三菱自動車が2021年12月16日に発売した新型「アウトランダーPHEV」は、8年ぶりの全面改良であるだけでなく、初代の発売以来16年ぶりのプラットフォームからの刷新でもある。さらに、Renault(ルノー)・日産自動車グループの共通プラットフォームを採用する三菱自動車としては初めての車種であることも注目点だ。採用されたのは「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」と呼ばれる共通プラットフォームの中でCからDセグメント車向けの「CMF-CD」である。

全面改良した三菱自動車の新型「アウトランダーPHEV」。「威風堂々」というデザインコンセプト通り、押し出しの強い存在感のあるデザインだ(筆者撮影)
全面改良した三菱自動車の新型「アウトランダーPHEV」。「威風堂々」というデザインコンセプト通り、押し出しの強い存在感のあるデザインだ(筆者撮影)
[画像のクリックで拡大表示]
新プラットフォームを採用した車体構造。引っ張り強さ1470MPaのホットスタンプ(熱間成形)式高張力鋼板を三菱自動車として初めて採用した(出所:三菱自動車)
新プラットフォームを採用した車体構造。引っ張り強さ1470MPaのホットスタンプ(熱間成形)式高張力鋼板を三菱自動車として初めて採用した(出所:三菱自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 CMF-CDプラットフォームは日産の現行「エクストレイル」にも採用されているものだが、アウトランダーには最新アップデート版を使っている。最新版は次期「エクストレイル」(米国市場では既に新型「ローグ」として発売されている)にも使う計画だが、国内では日産を差し置いて三菱自動車が先に採用車種を発売することになった。

7つの走行モードを装備

 既に新型アウトランダーには発売前に袖ケ浦フォレストレースウェイで試乗しているが、そのときには先代よりも大幅に向上した動力性能や、ステアリング操作に対する応答性の高さが印象的だった。2022年1月下旬に改めて公道で試乗し、そのときの感想が間違いなかったかを確かめることにした。今回の試乗会では、公道よりもまず先に、ダートコースでの試乗が用意されていた。

ぬかるみがあるような未舗装路でも安心して走行できる(筆者撮影)
ぬかるみがあるような未舗装路でも安心して走行できる(筆者撮影)
[画像のクリックで拡大表示]

 試乗コースは未舗装路で、ところどころぬかるみがあるようなコンディションだった。新型アウトランダーは7つの走行モードを備えるのが特徴で、通常走行用の「NORMAL」、乾燥舗装路で加速性能やアクセルレスポンス、旋回性を向上させる「TARMAC」、未舗装路やぬれた路面で操縦性と走破性をバランスさせた「GRAVEL」、雪道で車両の挙動を安定させる「SNOW」、ぬかるみや深雪でのスタック時に脱出性能を向上させた「MUD」、加速性能を向上させる「POWER」、燃費に配慮した「ECO」がある。

 今回の未舗装路ではこのうち「GRAVEL」と「MUD」を試した。GRAVELはNORMALよりもタイヤのスリップを許容するのに加え、前後の駆動力配分を荷重移動に応じて変えることで未舗装路での駆動力伝達性能と安定性を向上させる。一方のMUDは、GRAVELよりもさらにタイヤスリップを許容し、ぬかるみや深い雪の道路など滑りやすい路面での駆動力をさらに向上させる。

新型アウトランダーPHEVのセンターコンソール。手前のダイヤルで7つの走行モードを選ぶ(出所:三菱自動車)
新型アウトランダーPHEVのセンターコンソール。手前のダイヤルで7つの走行モードを選ぶ(出所:三菱自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 実際に未舗装路を走行してみると、通常の乾いた未舗装路ではGRAVELで問題ないが、コースの中に1カ所、かなりぬかるんだコーナーのあとに上り坂が続くところがあり、そこではMUDに切り替えたほうがより安定して走行できる印象だった。また、未舗装の荒れた路面でもタイヤが大きく上下しているのは分かるが、衝撃が直接伝わってくることがなく、良好な乗り心地だったのが印象的だ。