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本記事は、照明学会発行の機関誌『照明学会誌』、第102巻、第5号、pp.192-197に掲載された論文「照明デザインのさらなる地平をめざして~研究者と照明デザイナーが語る光のスペクトル 肌の質感を生かす光」の抜粋です。照明学会に関して詳しくはこちらから(照明学会のホームページへのリンク)。

シンポジウム対談の概要:福多佳子

 肌と光の関係を考える際に難しいと思うのは、肌は光を反射するだけでなく、光を透過させるということである。さらに顔の見え方という観点では、光の当て方によって陰影の付き方も変わり、表情でさえ異なって見えることもある。

 照明のLED化により波長制御の技術が進み、高演色で肌が美しく見えるとカタログに書かれている製品も増えており、日頃の照明設計において迷うこともある。

 本シンポジウムにおいては、単なる肌の見え方という観点だけでなく、お化粧された顔の印象と災害時救助の医療活動における肌色の見分け方という2つの観点の研究発表に関して討論を行うことができた。