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  食品を包装する容器として、紙器は広く用いられている。今回、食品用紙器の特許等の動向について調査を行ったところ、近年は日本よりも米国、欧州からの特許出願がリードしていることが分かった。また、市場に関しては、国内市場は飽和状態にあり、海外市場が拡大状態にあることが分かった。本稿では、上記以外の調査結果も多数紹介し、調査から判明した動向を踏まえ、今後の技術開発の方向性等に関する提言を紹介する。

 包装の歴史は極めて古く、人類発生とともに包装・容器があったといわれています。包装・容器の技術に大きな変化が生じたのは1950年代です。この時代は高度経済成長期と呼ばれ、交通網の整備を含む流通革命が起き、流通革命に呼応して多くの商品にプリパッケージが必要になりました。この要請に応じて包装への応用が活発化し、あわせてその利便性を含む新機能が追及されるようになりました。例えば、プラスチックボトル、牛乳用紙パック等は、いずれも1950年以降に出現したものです。このように時代の流れとともに生じる社会背景の変化に応じて食品加工技術が生まれ、それを商品化するに当たって包材や包装技術が開発されるという形で現在に至っています。

 一般に包装容器といっても、材質の違いによりプラスチック、金属、ガラス、紙と非常に幅広い利用のされ方をしています。包まれる食品は、品質・特性的に大きく異なる農産物、畜産物、水産物、林産物とそれらの加工品であることから、それらに対応した品質保持特性が包装資材に求められます。これらの中で、最も広く、多く、包装用として使われているものに紙器があります。

 特許庁では「平成29年度特許出願技術動向調査」において、食品用紙器に関する特許等の動向を調査し、技術革新の状況、技術競争力の状況と今後の展望について明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)はこちら。この調査の主要部分を本稿で紹介します。

 本調査の技術俯瞰図を図1に示します。

図1 食品用紙器の技術俯瞰図
図1 食品用紙器の技術俯瞰図
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