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 「平成30年度特許出願技術動向調査」において、パワーアシストスーツに関する市場動向、政策動向、特許出願動向、研究開発動向等の調査を行い、その実態を明らかにした。人体に装着され活用されるパワーアシストスーツは、医療・福祉分野で機能改善を目的とした医療福祉用途で上市が始まり、その後、人体に装着され人の動作を補助するための装置として、物流、建築、工場、農作業等の一般産業分野や、機能再生治療、理学療法士の作業を代行するリハビリテーション支援、歩行補助、介護者支援、要介護者の自立支援等の医療・介護分野において、市場投入や更なる研究開発が活発化した。特に近年では、我が国が直面している少子高齢化社会における労働人口減少の解決方法の一つとして着目され、上記分野での一層のニーズ増大が予想される。本稿では、調査から判明した動向を踏まえ、今後の技術開発の方向性等に関する提言を紹介する。

技術概要と調査概要について

 パワーアシストスーツ(外骨格(exoskeleton)ともいう)は、身体に装着し、装着者または作業対象に対して作用することで、身体動作の支援、身体機能の改善・治療等を行うものです。

 他方で、義手・義足のような身体機能の欠損を補うもの、ペンチのような工具、車椅子のような歩行代替手段、コルセットのような矯正具等については、ある一面においては身体機能の支援を行ってはいるものの、本調査の調査範囲には含みません。

図1 パワーアシストスーツの調査範囲
図1 パワーアシストスーツの調査範囲
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 本調査の対象とする技術領域を示す技術俯瞰図は以下のとおりです。パワーアシストスーツの技術は、大きくはハードウエア、ソフトウエア、アシスト部位に分けることができます。技術俯瞰図では、それぞれについて要素技術、個別の技術課題、横断的な技術課題、用途を記載しました。

図2 技術俯瞰図
図2 技術俯瞰図
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