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 3Dプリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を3次元形状の数値表現から作成するプロセスを指す。近年は、適用する材料も樹脂から金属、セラミックス、コンクリートなど多様化が進んできており、適用分野・用途の拡大、成形品の高機能・高付加価値化、さらなる実製品への適用が期待されている。本調査では、3Dプリンター適用の目的について、マスプロダクション、マスカスタマイゼーション、プロトタイピング、一品一様製造の4種類に類型化し、産業分野との関連や課題についての整理を行った。

調査背景

 3Dプリンターに代表される3次元積層造形技術の進歩は、軽量でこれまでにない機能や複雑構造を有する製品の開発を加速してきました。また、商品企画・設計・製造プロセスのデジタル化の進展等も伴い、新たな付加価値を持つ製品の創製、商品企画から設計・生産までの時間の大幅短縮や地理的・空間的制約からの開放など、ものづくりに革命を起こす潜在力を秘めています。そのため、近年、研究開発や幅広い分野での活用が急速に進められています。このような背景の下、「令和元年度許出願技術動向調査」において、3Dプリンターに関する特許・論文の動向等を調査し、今後の展望について検討しました。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

調査対象技術

 3Dプリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を3次元形状の数値表現から作成するプロセスを指します。その構成は、図 1に示すように、「造形」工程のみならず、形状データ作成を行う「前工程」と、造形工程後のサポート除去や表面処理などを行う「後工程」からなります。

図1 技術俯瞰図
図1 技術俯瞰図
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調査範囲

特許文献
出願年(優先権主張年):2012年~2017年
出願先国・地域:日本、米国、欧州、中国、韓国
使用した商用データベース:Derwent World Patents Index (米国クラリベイト・アナリティクス社が提供)

非特許文献
発行年:2013年~2018年
使用した商用データベース:Scopus (Elsevier社が提供)

調査手法

特許文献

 3Dプリンター技術に関するIPCやキーワードを組み合せた検索によって抽出された特許公報の抄録、特許請求の範囲、図面を解析し、ノイズ除去を行うとともに、技術区分(表 1)に従い分類の付与を行いました。

非特許文献

 キーワード等を用いることによって、解析対象の論文を抽出し、抄録を解析対象とし、ノイズ除去を行うとともに、特許と同じ技術区分(表 1)に従い技術分類の付与を行いました。

表1 技術区分
表1 技術区分
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