技術社会の基幹である、機械および機械システムとその関連分野に携わっている約4万名の技術者が社会に貢献するための機関、それが日本機械学会です。1897(明治30)年に創立され、120年近い歴史を持つ学会です。
本コラムでは、日本機械学会の情報誌「日本機械学会誌」に掲載されたコンテンツの中から、日経テクノロジーオンラインの読者の皆さまにぜひ知っていただきたい技術記事を抜粋して紹介します。
2017年までのコンテンツはこちら。
技術社会の基幹である、機械および機械システムとその関連分野に携わっている約4万名の技術者が社会に貢献するための機関、それが日本機械学会です。1897(明治30)年に創立され、120年近い歴史を持つ学会です。
本コラムでは、日本機械学会の情報誌「日本機械学会誌」に掲載されたコンテンツの中から、日経テクノロジーオンラインの読者の皆さまにぜひ知っていただきたい技術記事を抜粋して紹介します。
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日本機械学会誌「スナップフィットの設計標準化」
スナップフィットは、はめ合わせなどによって部品の位置を決め、締結する機械的な仕組み。位置決めのためのロケーター(locator)、部品同士を固定し締結するロック(lock)、部品同士の締結強度を向上させる補強材(enhancement)から構成される。挿入力や抜去力などの特性を変えるために、たわみ…
日本機械学会誌「衝撃圧接による異種金属の接合」
金属同士を高速で衝突させ、瞬間的に接合する衝撃圧接法が注目を集めている。爆発圧接は第2次世界大戦後にその技術が確立され、幅広、厚肉の異種金属クラッド材の製造などに利用される。
日本機械学会誌「上下の揺れを抑えて快適な乗り心地に 鉄道総合技術研究所・日立オートモティブシステムズ~2017年度日本機械学会賞(技術)受賞「鉄道車両用上下制振制御システムの開発」」
鉄道総合技術研究所と日立オートモティブシステムズは、世界で初めて鉄道車両用「上下制振制御システム」を実用化した。加速度センサの測定値をもとに車体の振動低減に必要な力を計算し、可変減衰上下動ダンパーに指令電流を送ってダンパーで減衰力を発生させ、車体の振動を抑制するもの。ローカル線を走る観光特急列車や…
日本機械学会誌「計算力学技術者認定事業の概要」
高性能かつ廉価で使いやすいコンピューターや多様なソフトウエアにより、CAEとも呼ばれる計算力学のデータ入力は簡便になり、解析結果もきれいに表示されるようになった。しかし不適切な要素分割や境界条件の設定間違い、不適切なアルゴリズム選択などで、見当違いな解析結果を得る危険性を常にはらんでいる。日本機械…
日本機械学会誌「ユーザーエクスペリエンスの課題と測定」
ユーザーエクスペリエンスという言葉は、ある製品やサービスを利用・消費したときに得られる体験を意味し、「個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザーが真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念」と定義されている。これは「品質」とは異なる概念だ。例えば、多くの人は特定の時刻に起き…
日本機械学会誌「機械の中部点検~非破壊検査を専門とするおじさんたちの解釈~」
日本機械学会は「未来マップ作成プロジェクト」を立ち上げた。幼児から中学生までが応募する「絵画コンテスト」の作品を、実際に実現するためのステップを考察し、未来の機械工学を想像する。今回の「お題」は「機械の中に人が小さくなって入って目でかくにんできないような小さなトラブルを見つけているところ」だ。
日本機械学会誌「地球を冷やす機械~地球規模でのエネルギーバランスの議論と方法の検討~」
日本機械学会は「未来マップ作成プロジェクト」を立ち上げた。幼児から中学生までが応募する「絵画コンテスト」の作品を、実際に実現するためのステップを考察し、未来の機械工学を想像する。今回の「お題」は「冷やす機械」だ。
日本機械学会誌「障がい者スポーツへの貢献~競技用義足を例にして~」
競技用義足に関連する研究の多くはバイオメカニクス的視点から扱われるが、2008年北京五輪で両脚切断クラスのオスカー・ピストリウス選手(南アフリカ)が400 m走出場を目指したのをきっかけに、板バネに焦点を当てる研究が活性化した。議論の的は、板バネが健常者よりも有利に働くのでは? という点だった。
日本機械学会誌「高エントロピー合金の特徴と鋳造合金としての実用化に向けた研究」
高エントロピー合金は、5成分以上の構成元素をほぼ等量混合することにより混合のエントロピーを高めた固溶体(互いに溶け合い全体が均一の固相になっている)材料のことを指す。固溶体相であるため脆くない一方で加工硬化を示す。これまで、構造用金属材料の開発の方向性は、脆い材料に組織制御を駆使して延性を付与するも…
日本機械学会誌「自動運転とモビリティ社会」
レベル3では、自動運転システムの作動継続が困難になると人間に交代する必要がある。どんな条件でそうなるのか、いつ生じるか分からないだろうから、交代要員はレベル3車両の運動性能を熟知し、置かれた環境を瞬時に判断し運転を開始できる高度に訓練されたドライバーが想定される。こうしてみると自動運転の普及と共に…
日本機械学会誌「ソルトレイクシティでの大学生活と子育てを通して」
きっかけは夫の1年間の米国ソルトレイクシティ赴任だった。同行する? しない? 行くなら大学での仕事は? 赴任先に受け入れてくれる研究機関は? 帰国後子供たちは保育園に戻れる? 筆者は2016年11月から翌年8月まで、米国ユタ州ソルトレイクシティのユタ大学機械工学科にResearch Scholar…