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 国内最大の自動車部品展示会「人とくるまのテクノロジー展」。ショーワは毎回、我々メカ系ジャーナリストに対して、ネタともいえる興味深い情報を用意してくれるメーカーだ。今年の目玉は以前より開発を続けているEPSとセミアクティブサスペンションとの協調制御、そしてモーターサイクル用の新構造ダンパーだった。

 そのセミアクティブサスペンションの減衰力制御を実現しているのは、シェルケース側面に追加された減衰力可変式バルブだ。 

 

 従来の減衰力可変制御式のダンパーでは、インナーロッド先端のピストンや、シェルケース底部のベースバルブで基本的な減衰力を発生させ、可変制御はインナーロッドやシェルケースにバイパスバルブを設け、そこを通過するオイルの量をコントロールすることで減衰特性を変化させている。

 しかしショーワは、ピストンにはバルブを設けずストロークによって完全にオイルを圧送する構造とし、循環させるシェルケース外側に伸縮両方のバルブを設けることで減衰力を発生させる構造を開発。

 従来であればメインのバルブシステムがあって、さらに可変機構を追加しているのに対し、可変機構をメインバルブと一体化しているのである。これはバランスフリー機構と名付けられたショーワ独自の技術だ。 

 

 これによって減衰力の制御は、よりシンプルで正確になる。つまり減衰力の立ち上がりがより素早くなるだけでなく、制御しやすくなり制御領域が増えるのだ。

   
IECASのダンパー。インナーロッド先端のピストンにはバルブがなく、注射器のようにオイルを圧送する。複筒式の外筒部分にバルブを設け、流路を変化させることで減衰力を増減させる。
IECASのダンパー。インナーロッド先端のピストンにはバルブがなく、注射器のようにオイルを圧送する。複筒式の外筒部分にバルブを設け、流路を変化させることで減衰力を増減させる。
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