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 ドイツのフォルクスワーゲン(Volkswagen:VW)グループの電動化戦略が出そろってきた。見えてきたのは、「3+1+1」の技術プラットフォームの活用だ。「3」は、エンジン車で採用してきたプラットフォームでVWのEV「e-golf」なども実現する「MQB」、そして独アウディ(Audi)「e-tron」などで採用する「MLB」、同新世代EV「ID.シリーズ」で採用するであろう「MEB」である。最初の1は、アウディが新発表したプレミアムEV向けの「PPE」、最後の1は、VWグループの超高級車向け「SPE」である。

 アウディが初の量産EV「e-tron」を正式発表した2018年9月中旬、気になるプレスリリースが同社から届いた。「アウディが2025年までに12車種のEVを主要市場に投入し、世界販売台数の約1/3を電動車両とする」というのだ。これは先のパリショーでも明かされた。注目すべきは、先だって公表したリリース中に「コンパクトモデルからラージサイズモデルまでの全セグメントに電気自動車を提供するためには、合計4つの技術プラットフォームが製品ファミリーに必要」とされていたことだ。

 量産化が決定している「e-tron」と「e-tron Sportback」のSUVタイプのEVは、従来の“アウディ”ブランドでの使用を前提としたMLB(Modular Longitudinal Matrix)を基本に生産される。この理由は、ドイツ勢のライバルに対抗して2018年内の早期発売を考慮して開発されたと想像される。

 ここで独ダイムラー(Daimler AG)のEV生産への対応を見ると、2019年に市場導入予定であるダイムラーのSUV仕様のEV「EQC」はGLCやCクラスと同じMRA(Modular Rear-wheel drive Architecture)を基調に変更したEVA(Electric Vehicle Architecture)と呼ばれるプラットフォームを採用していると想像できる。生産は独ブレーメン工場のGLC(フロア下部に燃料電池を搭載した「F-Cell」の前例もある)やCクラスと同じラインで実施される。「EQC」に続いて登場予定の「EQA」も、やAクラスと同じ独ラシュタット工場を中心に生産されるなど、既存の組み立てラインを利用して、EVの生産を徐々に拡大していくことを計画している。

 同じことがアウディにもいえ、まずは「e-tron」と同「Sportback」を量産EVの生産の端緒として、次なる本格的なあるいはアウディのスポーツ性を生かしたモデルを用意している。

 周知の通り、すでにMQB(Modular Tranverse Matrix)をベースとする「e-golf」が存在しており、これに続くのがMLBを利用した前述のアウディの2車種。そして現在、開発が進められているEV専用プラットフォームがMEB(Modular Electric drive Matrix)となる。これらを用いて、フォルクスワーゲンとアウディの協力の下、セアト(Seat)、シュコダ(Skoda)ブランドまでを包括する。

 アウディが今回言及した4つ目のプラットフォームがPPE(Premium Platform Electric)だ。鍵となるのはPPEが「B~Dの量販セグメントをカバーする、アウディの複数の電気自動車モデルファミリーの基礎となる」とコメントされ、SUVと従来のボディー形状の2タイプのコンセプトを備え、“電気自動車専用”と明言されている点にある。この4つ目のプラットフォームの開発が、将来のVWアウディのEV化戦略の根幹を成すことになるはずだ。

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