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自動車関連の総合展示会「オートモーティブワールド2020」(2020年1月、都内)では、多くの部品メーカーが出展した。2019年秋の「東京モーターショー」で部品メーカーの出展が抑えられたことが背景にある。出展品から見えた、主に電動化と素材に関する最新技術を追う。

小型化した新型フィットHV用PCU

 電動化技術に関しては、部品メーカーが量産品を積極的に展開していた。

 ホンダ系列のエンジン関連部品メーカーであるケーヒンは、2020年2月に発売する次期「フィット」ハイブリッド用の制御ユニット(PCU)を展示した(図1)。DC/DCコンバーターを追加装備した上で、体積・質量ともに約1割削減。水冷機構は、冷却経路を見直し高効率化した。

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図1 ホンダ「フィット」HEV用PCU
(a)左が従来品、右が開発品。(b)新しいPCUは、ケーヒン製で、DC/DCコンバーターを追加装備した。水冷機構では冷却経路を見直し、性能向上を図った。

 同社の研究開発で注目すべきは、電池モジュール内の配線を省ける、ワイヤレス機能対応の電池モジュールコントロール機構だ(図2)。電池モジュールを小型化できるだけでなく、メーカーが回収する使用済み電池モジュールのリサイクル性を高められる。

図2 ワイヤレス制御を採用した電池モジュール
図2 ワイヤレス制御を採用した電池モジュール
電池モジュール内の配線を省ける、ワイヤレス制御機能を採用。小型・軽量化するとともにリサイクル性を高めた。
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 電動化技術を手がける日本電産は、フランス・グループPSAや中国メーカーなど、海外への供給を進めている。会場ではモーターやインバーター、減速機を一体化した電動駆動ユニットのモックアップを展示した(図3)。

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図3 日本電産が開発中の電動化モジュール(モックアップ)
(a)軽自動車用、(b)D~Eセグメント用。

 50kWの軽自動車用から中国GAC車両に採用された出力150kW仕様、欧州市場で車両サイズがD~Eセグメント車への採用を目指した出力200kW級システムなどの開発を進めるという。