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 前回に引き続き、ひろしま産業振興機構カーテクノロジー革新センターが実施したドイツBMW「3シリーズ」セダンの分解研究作業を紹介する(図1、2)。パワートレーンやボディーにはBMWの多様な国際的サプライチェーンの構成が垣間見られたが、内外装部品については東欧諸国の名が多く見られた。

図1 BMW「3シリーズ」セダンのホワイトボディー
図1 BMW「3シリーズ」セダンのホワイトボディー
ひろしま産業振興機構カーテクノロジー革新センターが運営するベンチマーキングセンター利活用協議会が実施したBMW3シリーズの分解研究作業(場所は広島市安芸区、広島国際学院大学自動車短期大学部)。分解車両のグレードは「320i」Mスポーツ仕様。
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図2 BMW3シリーズセダン
図2 BMW3シリーズセダン
日本仕様には、直噴ガソリン(2L直列4気筒ターボ、3L直列6気筒ターボ)とプラグインハイブリッド(2L直列4気筒ターボ+モーター)、ディーゼル(2L直列4気筒ターボ)を設定。写真は欧州仕様の320d。
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欧州各地から部品調達

 BMWは、ドイツ・ダイムラー(Daimler)や同アウディ(Audi)に続く形で東欧ハンガリーに工場を設立、2019年から生産している。ハンガリーには自動車部品のサプライチェーンが形成されていたことが、新工場の進出先に決まった。今回の分解車両ではルーマニアやチェコ、スロベニアなどの製品が多く見られた。

 ドアのインナーパネルは、シート部品や自動車用ドアを製造するドイツ・ブローゼ(Brose Fahrzeugteile)製である(図3)。ドイツで生産したもので、コネクター部の中にはスロベニア製のものもあった。

(a)
(a)
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(b)
(b)
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図3 ドア周り
(a)ドアインナーパネル。樹脂製パネルや装着される電装品を含めたドアパネルなどを手がける、ドイツ・ブローゼ製。(b)後部ドアパネル。

 ルーフ内側のインシュレーターは、世界的な内装部品メーカーであるルクセンブルクのIAC(International Automotive Components)グループ製で、チェコで生産したものだ(図4)。

図4 ルーフ内装材
図4 ルーフ内装材
IACグループ製のルーフ内側の不織布製の内張(インシュレーター)を採用。チェコで生産する。
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 センタートンネル前部の樹脂製カバー(図5)は、ピストンなどパワートレーン系部品を手がけることで知られる大手メーカーであるドイツ・マーレ(MAHLE)製である。シフト部などを含め、モジュール化して納入していると考えられる。

図5 センタートンネルカバー
図5 センタートンネルカバー
ドイツのマーレ製センタートンネル前部のカバー。マーレといえばピストンなどパワートレーン系部品を手がけることが知られているが、シフト部などを含めて一括して納入していることが想像される。
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