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 三菱自動車のミニバンである「デリカD:5」が部分改良をした。外観全体の輪郭は変わらないが、前後の造形が新しくなり、ことに顔つきは大きく変わって印象が強くなった。また、都会での利用が中心の顧客向けに「URBAN GEAR(アーバンギア)」が新たに車種設定された。

デリカD:5は大きな進化を遂げた。試乗車は、新しく設定されたURBAN GEAR(アーバンギア)(写真:御堀直嗣、以下同)
デリカD:5は大きな進化を遂げた。試乗車は、新しく設定されたURBAN GEAR(アーバンギア)(写真:御堀直嗣、以下同)
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 大幅な改良がなされたD:5は、ディーゼルエンジン車のみの設定となる。ガソリンエンジン車については従来型の装備内容を見直して継続販売する。

 試乗車は、アーバンギアの最上級車種「Gパワーパッケージ」。エンジンは、排気量2.2Lのクリーンディーゼルターボで、新たに尿素SCRによる排ガス浄化を採用している。また、摩擦損失を下げ、トルクの向上と燃費改善が行われた。現行車に比べ最大トルクは20N・m高まり380N・mに、燃費はJC08モードで0.6km/L改善されて13.6km/L(WLTCモードでは12.6km/L)となっている。ほかに、変速機が6速AT(自動変速機)から8速ATとなった。

クリーンディーゼルエンジンは、尿素SCRによる排ガス浄化が追加された。また、摩擦損失低減とトルク増強で、軽やかかつ力強さを発揮
クリーンディーゼルエンジンは、尿素SCRによる排ガス浄化が追加された。また、摩擦損失低減とトルク増強で、軽やかかつ力強さを発揮
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 運転をし始めてすぐ、軽やかな発進であるのを体感した。摩擦損失を低減したとされるディーゼルターボエンジンは、回り方もディーゼル騒音も軽やかで、いかにも新しい感触がある。8速となったATは1速のギア比が低めに設定され、出足を良くした効果もあるようだ。いずれにしても、走り出しから好印象のD:5である。

 その後速度を上げていく際も滑らかな加速で、心地よい。ディーゼル音は耳に届くものの、室内は速度が上がるほどに静かになっていく印象があり、上質だ。トルクの向上と変速機の多段化によるギア比の見直しでエンジンへの負荷が減るのと合わせ、強化された防音・吸音の効果が表れているようだ。

室内の造形も大きく変わり、従来のRVらしさより乗用車的な雰囲気を強めている
室内の造形も大きく変わり、従来のRVらしさより乗用車的な雰囲気を強めている
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荷室の床下に、尿素水の補給口がある
荷室の床下に、尿素水の補給口がある
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 D:5は、2007年の誕生当初より「リブボーンフレーム」と呼ばれる車体構造を採用し、圧倒的な車体剛性を確保してきた。例えば、前後斜めのタイヤが悪路のこぶに乗ってねじれが掛かった状態でも、後ろのスライドドアの開閉ができるほどである。これに加えて今回、車体前部の剛性を高めた。その効果は、軽量になったエンジンと合わせて操舵をした際の動きに軽やかさをもたらすとともに、路面の突起乗り越えでのハーシュネスを軽減している。

荷室などの使い勝手は変わらない。後ろから室内を見ると、D:5特有のリブボーンフレームの骨格がよくわかる
荷室などの使い勝手は変わらない。後ろから室内を見ると、D:5特有のリブボーンフレームの骨格がよくわかる
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