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 スウェーデン・ボルボ(Volvo)で唯一の4ドアセダンが、「S60」である。2019年にガソリンターボエンジン車の「T5」に試乗しているが、今回はプラグインハイブリッド車(PHEV)の「T6 Twin Engine AWD Inscription」に試乗する機会を得た。

待望のPHEV追加により、他社の4ドアセダンと比べても競争力を得た
待望のPHEV追加により、他社の4ドアセダンと比べても競争力を得た
(撮影:筆者)
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 ボルボのPHEVは、先に「XC-90」で市場導入されている。システム構成はそのときと変わらず、前輪側に直列4気筒ガソリンのスーパーチャージャーとターボチャージャーを装備し、エンジンと変速機の間にモーター/発電機を備える。これは、主に回生による発電とエンジン出力の補助に用いられる。そして、モーター走行をもたらすのは、後輪側のモーターだ。したがって、モーター走行時は後輪駆動となり、エンジンとモーターを併用した際にAWD、すなわち4輪駆動になる。

ターボチャージャーとスーパーチャージャーと2つの過給機を装備する2.0L直列4気筒のガソリンエンジンには、電子制御8速AT(自動変速機)が組み合わされる
ターボチャージャーとスーパーチャージャーと2つの過給機を装備する2.0L直列4気筒のガソリンエンジンには、電子制御8速AT(自動変速機)が組み合わされる
(撮影:筆者)
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 S60のPHEVには、T6と「T8」があるが、いずれもモーター性能は同じで、エンジンの出力が制御によって異なる。今回試乗したT6は、エンジン側の出力が抑え気味の仕様であるが、それでも最高出力は253ps、最大トルクは350N・mである。この値は、2019年に試乗したガソリンターボエンジンのT5とほぼ同様である。

 はじめにT5を少し振り返ると、操縦性は素直で、山間の屈曲路において奥の深いカーブでステアリングを切り足すような場面でも、前輪がよく食いついて回り込み、しぶといコーナリング性能を実感した。また全体的には乗り心地がやや硬めであるのも記憶に残る。直列4気筒エンジンは、高回転までよく回り切り、そこでは快い排気音を発した(T5の試乗記)。

 しかしながら、競合とみられるドイツBMW「3シリーズ」や、同ダイムラー(Daimler)メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)「Cクラス」、欧米FCA(Fiat Chrysler Automobiles)アルファロメオ(Alfa Romeo)「Giulia」などに比べ、何か一つ大きな特徴となるものを感じにくかったのも事実だ。そこで思ったのが、PHEVの品揃えである。

 今回、PHEVのT6に試乗してまず実感したのは、モーター走行による上質さだ。走りが静かであるのはもちろんだが、電池やモーターの重量増分と思える約350kgの重さが、乗り心地に落ち着きをもたらしていた。そうした乗り味が、北欧デザインの内装とよく適合し、競合他車と一味違う4ドアセダンの存在感を覚えさせたのであった。

ボルボの各車種で見慣れた北欧デザインの内装
ボルボの各車種で見慣れた北欧デザインの内装
(撮影:筆者)
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PHEVのシフトノブは、クリスタルガラス仕様となる
PHEVのシフトノブは、クリスタルガラス仕様となる
(撮影:筆者)
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200Vの普通充電口は、左フロントフェンダーに設けられている
200Vの普通充電口は、左フロントフェンダーに設けられている
(撮影:筆者)
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