全1725文字
PR

 日産自動車の軽自動車「ルークス」と、三菱自動車の同「eKクロススペース/eKスペース」は、両社が折半出資するNMKV(東京・港)が開発したスーパー・ハイト・ワゴン(トールワゴン)である。

日産ルークスハイウェイスターは、日産のミニバンなどで走りを重視した車種に通じる高い走行性能を実感させた
日産ルークスハイウェイスターは、日産のミニバンなどで走りを重視した車種に通じる高い走行性能を実感させた
(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]
三菱自のeKクロススペースは、同社のSUV(多目的スポーツ車)に通じるX字を印象付けるフロントグリルを採用する
三菱自のeKクロススペースは、同社のSUV(多目的スポーツ車)に通じるX字を印象付けるフロントグリルを採用する
(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]

 その両車は先に発売されたハイトワゴンの日産「デイズ」、三菱自「eKクロス/eKワゴン」と比べ、車体全高が(デイズとルークスの比較で)140mm高くなるため、さらに背が高いという意味でスーパー・ハイト・ワゴンといわれる。競合車種は、ホンダの「N-BOX」、ダイハツ工業の「タント」、スズキの「スペーシア」だ。

 今回試乗したのは、日産ルークスと三菱自eKクロススペースである。日産ルークスは、自然吸気エンジンの「ハイウェイスターX」の「プロパイロットエディション」、三菱eKクロススペースは、ターボエンジンの「Tグレード」である。

ガラス面積が大きいだけでなく、ダッシュボードも低く抑えることで前方視界をより改善している
ガラス面積が大きいだけでなく、ダッシュボードも低く抑えることで前方視界をより改善している
(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]
座席は十分な大きさがあり、ゆったり座れる
座席は十分な大きさがあり、ゆったり座れる
(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]

 どちらのクルマも、試乗をして最も印象深かったのは、優れた操縦安定性と上質な乗り心地であった。かつて試乗したハイトワゴンの日産デイズハイウェイスターや三菱eKクロスも、高速道路を含め操縦安定性に優れ、背の高い軽自動車として安心できるクルマに仕上がっていた。だが、乗り心地はやや硬めの印象があった。

 ところがスーパーハイトワゴンとしてより背が高くなり、それによって重心も高くなって不安定になりがちであるにもかかわらず、日産ルークスハイウェイスターと三菱自eKクロススペースは、高速道路において安定性に優れ、路地を曲がった際にもふらつくような様子もなく、それでいて路面の変化やつなぎ目からの衝撃に対し、しなやかな乗り心地をもたらしたのである。その総合性能は、競合他社のスーパーハイトワゴンと比べても圧倒的に優れている。

 今回は、日産の開発陣が指揮を執り、「GT-R」や「フェアレディZ」の実験を担当してきた人物が初の軽自動車開発に挑んだ。日産デイズや三菱自eKワゴンを開発した後、このスーパー・ハイト・ワゴンでも開発の手を止めることなく納得のいく車両に仕上げるため、さらに開発を続けたと語った通り、軽自動車の水準を超えた走行性能に仕上がっていた。

 その成果は前席だけでなく、後席に座っても同様であった。昨今のハイトワゴンやスーパー・ハイト・ワゴンは、室内を広く取り、後席の前後スライドを大きくして、足元のゆとりや、より多くの積載性を調節できるようになっているが、一方で、後席前後スライドの位置によって乗り心地が変化する。最も後ろへ座席を下げると、ほぼ後輪の真上に座ることになり、路面の影響で跳ねるような乗り心地になる傾向がある。ところが、日産ルークスと三菱自eKクロススペースは、後席スライドをどの位置に合わせても快適な乗り心地に変化はなかった。

後席側のスライドドアは前型に比べより大きく開き、子供を抱きながらの乗降性が改善されている
後席側のスライドドアは前型に比べより大きく開き、子供を抱きながらの乗降性が改善されている
(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]
後席は前後へ大きくスライドできる。ただし座面の長さがやや短い。支柱には手すりが設けられ、子供から高齢者まで乗降の手助けになる
後席は前後へ大きくスライドできる。ただし座面の長さがやや短い。支柱には手すりが設けられ、子供から高齢者まで乗降の手助けになる
(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]

 また静粛性について、デイズやeKワゴンよりエンジンルームと客室との間の遮音や吸音性能を高めたとのことで、静かさも上級車並みといえる。