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 英Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)のSUV(多目的スポーツ車)「ランドローバー・ディフェンダー」が全面改良(フルモデルチェンジ)して、日本に導入された。前型が1990年に登場しているので、約30年ぶりの新型である。

(撮影:筆者)
前型のディフェンダーの面影を残しながら、より先進的な造形を採用した新型。試乗したのはロングボディーの「110 HSE」
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 日本に輸入されるのはすべてガソリンターボエンジン車であり、車体全長の違いにより、「90」と「110」の2種類がある。今回試乗したのは、7人乗りの「110 HSE」であった。

日本に導入される車種のエンジンは、グレードの差によらず、同一性能の2.0Lのガソリンターボになる
日本に導入される車種のエンジンは、グレードの差によらず、同一性能の2.0Lのガソリンターボになる
(撮影:筆者)
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 110は、車体がより長いロングボディーの仕様で、全長4945×全幅1995×全高1970mmの大柄である。ことに全幅が2m近いこともあり、試乗前には一般公道で走行する際に神経を使うのではないかとの懸念があった。

 ところが、いざ運転を始めてみると、幅寄せなどでは多少幅を意識したが、あとはほぼ気兼ねなく走らせることができた。同社の「レンジローバー・イヴォーク」は、ディフェンダーに比べ車幅が9cm狭いが、それでも車幅感覚がつかみにくく、市街地でも山道でも神経を使った。その差は何だろうかと考えた。

 ディフェンダーは、ランドローバーの中でも特に悪路走破性にたけた車種であり、道なき荒野や密林の中に分け入ることも可能にするため、車両感覚をつかめなければ崖から落ちるなどということにもなりかねない。そこで、そもそも外観の造形は角張っており、窓枠も見通しをよくしてあり、前方視界に関わるダッシュボードも水平基調であることが、車両感覚を容易につかみやすくしている。それによって、単に寸法の大小だけでなく、人間の感覚を阻害しない作りとなっているのだろう。

水平基調のダッシュボードと、フロントウインドーの端を湾曲させない造形が、車両感覚をつかみやすくする
水平基調のダッシュボードと、フロントウインドーの端を湾曲させない造形が、車両感覚をつかみやすくする
(撮影:筆者)
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 これに対し、イヴォークはクーペのような外観が特徴で、その上、競合他社に比べても遜色のない悪路走破性を発揮するのが持ち味だ。しかしながら流麗な造形や、ウェッジシェイプ(くさび形)の姿が、車両感覚という点において把握しにくくしていると考えられる。

 ディフェンダーは、頭の中ではかなり大柄なクルマだと意識したが、運転を続けるうちにあたかも手の内にあるような感触を得て、緊張をほぐしたのである。

ランドローバー独自の、ボンネットフード下の様子をカメラ映像で見せる機能は、先を見通しにくい悪路の下り坂などで絶大な安心をもたらす
ランドローバー独自の、ボンネットフード下の様子をカメラ映像で見せる機能は、先を見通しにくい悪路の下り坂などで絶大な安心をもたらす
(撮影:筆者)
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