ドイツ・ダイムラー(Daimler)のメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)「Eクラス(E-Class)」は、2016年のフルモデルチェンジ(全面改良)で現行車となった。それから4年を経て、マイナーチェンジ(部分改良)が施された。試乗をしてみると新たな発見があり、進歩のとどまらぬ様子に驚かされた。
今回試乗したのはEクラスの4車種である。新たに排気量1.5LのガソリンターボエンジンにBSG(ベルト駆動のモーター機能付き発電機)を搭載した「E200」の4ドアセダンとステーションワゴン、そして排気量2.0Lのガソリンターボエンジンを搭載する「E300」のカブリオレとクーペだ。いずれも電子制御の9速AT(自動変速機)を搭載する。
中でも印象深かったのが、E200の4ドアセダンである。全体的な走行感覚が実に軽快で、あたかも「Cクラス」でも運転しているかのように自在に走る。車体寸法はもちろん従来と変わらず、全長4940×全幅1850mmと大柄だが、それを感じさせず、車幅なども気にすることなく運転できた。
4年前に現行車が登場した際には、それなりの大きさを感じた記憶がある。そこから変わった点は、エンジン排気量が小さくなり、BSGという電動化技術が入ったことだ。排気量が小さくなったとはいえ、出力に不足はなく、モーター補助と9速ATのきめ細かな変速によって、実に滑らかな走りを味わえる。Eクラスのような車格のクルマが、わずか1.5Lのターボエンジンで不満なく走れてしまう。これには何らかの軽量化技術も影響しているのかもしれない。
それでいて、車格が下がった印象を与えるわけでもない。単に、Eクラスというクルマを一層身近に感じた。
ステーションワゴンは、4ドアセダンほどの軽快さは感じなかった。車両重量が重くなることに加え、荷室部分の屋根の高さが影響しているためだろう。それでも、1.5Lのガソリンターボエンジン+BSGでの加速に不足はなく、よく走った。強いて言えば、ゆとりがあるという感じではなかった。