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 ホンダの「シビック」が、モデルチェンジをして11代目となった。初代から7代目までは大衆車としての価値を高めてきたが、8代目からはより大柄なミドルクラスになった。それでもホンダを代表する車種であることに違いはない。一時、国内での販売を中止していたが、前型の途中から日本への導入を再開し、そして迎えたモデルチェンジである。

プラットフォームなどは前型を継承するが、内外装は刷新され、新車を選ぶ喜びを感じさせる
プラットフォームなどは前型を継承するが、内外装は刷新され、新車を選ぶ喜びを感じさせる
(撮影:筆者)
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 新型シビックは、「ホンダアーキテクチャー」の第1弾となる。ホンダアーキテクチャーとは、主要な開発項目について統合的に開発することにより、技術の横展開を容易にし、余力を個別車種の性能や商品性の向上に充てる考え方だ。エンジンやフロア、コックピットなど、各部のモジュール化や、新しい電子プラットフォームの採用を進めている。

 試乗では、個々の要素技術というより、総合的な商品性の向上が果たされたと感じた。よく走り、よく曲がる。ホンダらしい活気ある走行感覚は、素直にいいクルマだと思わせる出来だった。上質さも一段上だ。より多くの人に、運転を楽しんでもらいたい1台だと思った。

 プラットフォームやガソリンエンジン、変速機は、前型からの継承となる。それぞれに改良が施され、性能を引き上げている。一方、車体は新しく開発され、内外装の造形と合わせ、新車として味わい深い。

 写真で一見したところ、外観は前型とあまり変わらない印象を受ける。しかし実車を前にすると、明快で簡素な造形の中に、上級車としての品が加わり、素直に格好いいと思える。ことに、樹脂を用いたリアハッチゲート周りの造形は、より洗練された。これにより、後席の空間も改善されている。

後ろ姿は簡素ながら上品な印象で、より上級車の趣を強めている
後ろ姿は簡素ながら上品な印象で、より上級車の趣を強めている
(撮影:筆者)
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 運転席に座ると、前方視界が開けているのを実感する。ホンダは「フィット」で独創の車体構造を用いることにより、革新的な前方視界を実現したが、開発者によると、その知見を生かしたという。SUV(多目的スポーツ車)の新型「ヴェゼル」も新型シビックも、車体構造は従来通りの手法を採るが、前方視界は明らかに改善されている。

 また、これもヴェゼル同様に、フィットから始まったダッシュボード上面を比較的平らにするデザインも、視界の確保に加え、車幅感覚のつかみやすさを向上させている。

前方視界がよく、車幅感覚もつかみやすい運転席
前方視界がよく、車幅感覚もつかみやすい運転席
(撮影:筆者)
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