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 スズキの軽乗用車「アルト」が、7年ぶりのフルモデルチェンジ(全面改良)をして9代目となった。前型アルトの寿命の長さが目立つ。

 新型アルトのチーフエンジニアは「スーパーハイトワゴンやハイトワゴンが市場の多数を占める中、軽のセダンタイプといえるアルトを存続できるかどうか議論があった」と語る。それでも9代目につながったのは「毎日使うクルマとして、気軽に、使いやすく、安心して乗れるアルト」への消費者の要望が強かったからだという。

 アルトは2021年の年間販売台数が6万919台だった。これに対し、スーパーハイトワゴンの「スペーシア」は12万8881台で、約2倍も売れた。利幅が薄いとされる軽自動車で、アルトの存続が議論されたのは当然ともいえる。初代アルトが、47万円という価格破壊的な値段で登場したように、市場動向を踏まえながらガソリンエンジンの前輪駆動車(FWD)で100万円を切っての発売となった新型は、一方で、内容は充実しているというのが対面しての印象だ。

 外観は前型と大きく変わったが、ヘッドライト周りの造形に面影が残る。軽自動車規格の限定された車体寸法でありながら、ふくよかな豊かさを覚えさせる姿だ。車高が、前型に比べ5cm高くなっている。

前型から外観を大きく変え、ふくよかな印象をもたらす。ヘッドライト周りに前型の面影を残す
前型から外観を大きく変え、ふくよかな印象をもたらす。ヘッドライト周りに前型の面影を残す
(筆者が撮影)
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 室内は廉価な軽として単に黒やグレーの単一でそっけない内装ではなく、ダッシュボードとドア内側に青い彩を与え、上級さを覚えさせる。座席は、座面が青いデニム調の生地で、背面を含め座席周囲を茶とする2トーンで、これも安っぽく感じさせない効果をもたらしている。外観や内装を見ただけで、なかなかいいクルマではないかと好印象を与えた。

上質な雰囲気がある内装
上質な雰囲気がある内装
(筆者が撮影)
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 動力は、ガソリンエンジンとモーター機能付き発電機(ISG)を備えるマイルドハイブリッドの2種類が設定されている。今回試乗したのは、マイルドハイブリッド車のみであった。変速機はどちらもベルト式無段変速機(CVT)である。

 運転席に座って気づいたのは、車高が5cm高くなったことで、頭上にゆとりがあることだ。ハイトワゴンなどを乗り続けてきた人も、空間のゆとりを実感できるのではないか。

十分な寸法の座席で、しっかり体を支える。座席の高さ調整機能も備える
十分な寸法の座席で、しっかり体を支える。座席の高さ調整機能も備える
(筆者が撮影)
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