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【質問1】NVIDIAの契約改定は、妥当だと思いますか、それとも横暴だと思いますか?
【回答】専横的だが、しかし

 NVIDIAとAI関連の契約を結んだとする発表は、ほぼ毎日のように出てきている。NVIDIA発表の資料ではAIスタートアップの投資額は、この4年間で9倍に増え、1300社にも上るという。分野も多岐にわたり、ヘルスケア、リテールビジネス、金融、セキュリティー、製造業、自律機械、建築などと具体的に記載されている。極めて応用範囲が広いことが明確になっている。

 これだけ応用範囲が広いと、そのユーザーも多様になる。そして、ユーザーには大きく2種類があると言えよう。数量(や金額)が大きく、技術力もあり、ほとんど自力で使いこなせるユーザーと、数量(や金額)が少ないにもかかわらずQ&Aやリクエストが多いユーザーである。前者は優良顧客という扱いになり、後者はうるさいお客となる。

 うるさいお客は、要求の中に重要な内容も含まれていることが多いので、実際にはメーカーにとってキーになる場合も多い。NVIDIAのGPUは、これまで人目に付かない分野で使われてきた。PC内のクラフィックスやマニア、プロ向けのグラフィックカード(10万円クラスが多い)、さらにデータセンター、スパコンの中。クルマのECUも一般には目に見えないところだ。

 しかし昨今のAIブーム、NVIDIAフィーバーもあって、上記のように「猫も杓子もNVIDIA」という状況が生じてしまっている。こうした状況では上記の2つの顧客の後者である「数量は少なく、Q&Aが多い」お客が増えているのではないだろうか。

 半導体など部品メーカーはときにファブの変更や生産停止(EOL)などを行う。EOLの基準は何か。数量の少ないもの、または利益を圧迫するものを停止するケースが多い。 Q&Aもコスト要因である。

 今回の契約改定は専横的に思える。しかし(しかしがついてしまう)、結局はサイズ、電力、レーテンシーなどで見れば、最上位を最初から買う方がよいのではないか、と思えてしまう(安くつく場合もある)。例えば、最上位のPC用GPU「TITAN V」のスペックは「GTX1060」の数倍ある。実際弊社ではTITAN Vを1基購入したが、実に丁寧な作り込みで、部品の1点1点にも配慮がなされている。直観的な言い方になってしまうが、10万円クラスとはモノが違うことが一目で分かるものであった(技術者ならば分かるはず)。今後7nm、5nm世代が来る。その際にはいずれにせよ性能も向上するが、価格も当然大きく上がるだろう。

 異論は多々あろうが、あえて現時点で、EOLと同じベクトルが働いたと捉えてみた。