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【質問3】突然の契約改定からビジネスを守るため、サービス事業者はどのような自衛策を講じるべきと思われますか?
【回答】セカンドソースの定義

 NVIDIAに代わる新たなAIプロセッサーやコンピューティングも多々提案されている。セカンドソースを育成することは、業界全体を常に活性化させるためにも重要だ。

 前述のように、多少の不満はあっても唯一無二としてNVIDIAを活用する業者は今後も多いことだろう。しかし、同じようなシステムが増えるほどに、差異化が起こりにくくなる可能性は高い。その場合には規模、資金がそのまま差になってしまう。

 クルマにせよ、スマートフォンにせよ、ほぼ同じシステムをまったく異なるメーカーのチップで組むことが多い。いわゆる事業継続計画(BCP)の観点からも、価格競争を起こす意味からも1つのシステムに固着してしまうことは、ユーザー自身に不利益を生む。

 韓国サムスン電子(Samsung Electronics)のスマートフォン「Galaxy Sシリーズ」は、歴代、QualcommシステムとSamsungシステムの2つが並行して開発されており、それらが安定供給にも寄与し、価格競争や性能競争も生み出す原動力となっている。同様に小さな部分ではメモリー、通信モジュール、センサーなどもセカンドソースまで常時存在している。唯一無二であることが決して望まれているわけではない。

 クラウドおよびAI=NVIDIAという一義的な現状に対して、代替案を模索し、新たな競争軸を生み出すことがますます重要になっているのではないだろうか。

 GPUは元来、汎用性の高い演算器の集合体である。安定的にグラフィックスやAR/VR(拡張現実/仮想現実)、AIなどに使えるように、演算によっては冗長になる構成も持っている。その部分をうまく処理するための専用プロセッサーなども近年多々生まれており、演算によっては専用プロセッサーの方がレーテンシーもよく、電力もけた違いに小さいものも増えている。

 一方NVIDIAは、専用コアも1チップに埋め込み、ますます汎用性と専用性を1チップ化し、価格を上げていく方向にある。コンバージェンスでより上位を目指すNVIDIAと、専用プロセッサーを用い、ダイバージェンスで新たな仕組みを作る、こうした2者を同時に持つことが自衛につながっていくのではなかろうか。セカンドソースを常時持つことの意義が大きくなってきたと捉えている。