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【質問2】独自チップ開発の潮流の中で、半導体専業メーカーは事業のどのような点を見直すべきだと思われますか? 
【回答】マクロ面では北風型と太陽型で、ミクロ面では陣取り型で対応

 半導体専業メーカーがユーザー企業による独自チップ開発の潮流に対峙する際、マクロ面では北風型と太陽型のアプローチが、ミクロ面では陣取り型のアプローチがあると考える。こちらも順に説明する。

高い次元から攻める北風型と太陽型

 マクロ面というのは、独自チップを開発しようとしているユーザーに対して、半導体のコストパフォーマンスではなく、一段階高い次元から攻めるやり方である。

 北風型は、かつてWintelがやったような封じ込めである。自社以外の半導体採用の選択肢を実質なくすことだ。この時計の針を逆行させるアプローチは、目下、有効な方策が見当たらない。

 太陽型は、NVIDIAが取っているような手法である。ユーザーに非常に便利な専用の開発環境やライブラリーを整え、ユーザーを自主的に誘導し、籠絡してしまう方策である。こちらはGPUの領域では、ユーザーの囲い込みで大きな成功を収めている。ただし、前回のテクノ大喜利のテーマでも述べたが、親切の皮を被っていても、当然ながら営利企業であるので、ユーザー側は突然の豹変に注意する必要がある。

真っ向勝負のミクロ型

 ミクロレベルのアプローチは、いわゆる真っ向勝負であり、自主開発の半導体とどうやって戦うかという話になる。戦いのベクトルは2つ。1つは汎用デバイスと専用デバイスの戦い。もう1つは、外部製造と内製の戦いである(図2)。

図2 半導体の自主開発・内製の流れに対抗するには
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図2 半導体の自主開発・内製の流れに対抗するには
出典:野村證券

 ユーザーから、半導体の自主開発の誘惑をはねのけるには、汎用半導体の魅力を上げる必要がある。つまり、独自開発した専用半導体よりも汎用半導体を選択してもらえるようになる必要があるわけで、突き詰めれば、より(a)安価に、(b)短納期で、(c)高性能なデバイスを供給できる体制を整えることで、顧客に自主開発のメリットを感じさせなくすることが1つである。

 次に、専用半導体の開発を選択した場合であっても、製造を受託することで損失を最小化できる。

 そもそも内製に走る要因には、ファウンドリーによる(i)小ロットの注文に対応してくれない、(ii)設計・仕様の自由度が低い、(iii)機密管理が不安、といった点の不満にある。これらへの対応力を高めるべきであろう。メガファウンドリーでの対応には限度があるので、グループ会社にミニマルファブや仮想工場によるファンドリー企業を持ってもよいのではなかろうか。