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【質問3】継続的成長を遂げるために、シャープが取り組むべき課題は何だと思われますか?
【回答】顧客の成し遂げたいことを理解し、そこに価値を提供する顧客価値の創出

 中期計画に変革の3つの柱の1つとして「ビジネスモデルの変革」が挙げられている。成熟した市場でのネットワーク化、ソフトウエア化といった技術的な質的変化、そしてサービス化といった流れを意識しての柱だと思う。ただし、具体的な施策イメージには落とされていない。

 ソニーはリカーリングというサービスで、継続的に収益を得るビジネスが、音楽、そして「PlayStation」などを柱に今期、連結売上高の40%にも迫る勢いだという。また、デバイス(端末製品)で高収益を得ていた米アップル(Apple)も今後5年間で全社売り上げの伸びの50%をサービスが占めるようになると米モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)が予測している。

 シャープもサービス化の取り組みを2017年に幾つか行っている。「AQUOS 4K」などだけを対象としているが、「COCORO MUSIC」という音楽配信や、「COCORO GAME」というゲーム配信を始めた。今のところはテレビに新たなサービス機能を付けるというレベルにとどまっている。調理家電「ヘルシオ」に料理キットを配送する「ヘルシオデリ」というサービスも始まった。美味しい料理を手軽に時短で食べられるアイデアはサービス視点で評価されているが、値段や一部のヘルシオだけが対象という制約から、一般の料理キットの方が便利という声も聞かれる。

 顧客の成し遂げたいことを理解し、そこに価値を提供するのが顧客価値である。サービスを考える際の出発点で、モノが先にあり、ただそこにサービスを結びつけても市場はなかなか広がらない。市場でもサービスとモノをうまく連携や融合させて成長しているビジネスはまだそう多くはない。知られた成功例ではネスレの「アンバサダー」で無料提供されている「バリスタ」だろうか。サービスとモノの連携と融合はまさに市場でも始まったばかりだ。

 その意味では、顧客が欲しがりそうなサービスを中心に、そこに必要なモノを提供するくらいの考え方で開発することで大きな市場が見え、新しいビジネスモデルも見えてくるのではないだろうか。そんな思考錯誤を、ブランドとして認知されているAQUOS、ヘルシアなどで期待したい。