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 思い通りの行動をしない自分の子の様子を見て、ただ声を荒げて怒っている自分にハッと気が付くことがある。ただただ自分の未熟さに恥じ入るばかりだ。そもそも、自分が思い描く行動なんて、過去の成功体験に基づくものでしかない。時代と状況が違う世界を生きる子に、本当に伝えるべき成功体験なのか、無思慮なまま押し付けていることがほとんどだ。そして、子は、いら立つ人間の姿だけをどんどん学習し、ともすれば怒られたことで自信さえ失ってしまう。

 苦況の中にある多くの企業の常として、どん底にいたシャープには数々の叱咤激励の言葉が浴びせられた。もちろん的を射ていた言葉も多かっただろうが、無責任で無思慮な言葉も多かったのではないか。その中で、シャープの社員たちの心中は、どのようなものだったのだろう。ただ怒られている子供のような心境ではなかったか。

 シャープの復活劇を勝手に評価し、復活した同社が得た未来について議論している今回のテクノ大喜利。5番目の回答者は、テカナリエの清水洋治氏である。苦況の中にあった企業に生きた経験を持つ同氏は、シャープ社員の目線から鴻海の傘下に入った意義を洞察した。そして、明るい同社の未来に向けた提言も提示している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
清水 洋治(しみず ひろはる)
テカナリエ 代表取締役 技術コンサルタント
清水 洋治(しみず ひろはる)  ルネサス エレクトロニクスなど半導体メーカーにて、1980年代から2015年まで約30年間にわたって半導体開発に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見を持っている。2015年から、半導体、基板、およびそれらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの代表取締役 上席アナリスト。
【質問1】鴻海資本下のシャープが復活を遂げた要因を1つ挙げるとすると、何だと思われますか?
【回答】自信の回復
【質問2】シャープは継続的成長を期待できる企業になったと思われますか? 
【回答】ニーズの見え方
【質問3】継続的成長を遂げるために、シャープが取り組むべき課題は何だと思われますか?
【回答】基礎の強化