「RISC-V(ファイブ)」の特長の1つに、実装次第でマイコンから科学技術計算などHPC(高性能計算)までスケーラブルにカバーできる、命令セットの拡張や特殊化が容易で特定用途での高性能化が可能といったものがある。言い換えれば、独自仕様のプロセッサーを開発するベースとして、適していると言える。実際、RISC-Vベースでディープラーニング向けなど多様なコアが開発され、多くのベンチャー企業が誕生している。
また、巨大IT企業が独自チップを開発して、競合の製品やサービスと差異化する動きが顕在化している。RISC-Vは、開発資金が潤沢な企業が所望の機能と性能を備えた独自プロセッサーを実現するための、強力な武器になるかもしれない。2017年11月には、米ウエスタン・デジタル(Western Digital)が自社製品に使用するCPUをRISC-Vに移行すると発表した。巨大企業による利用を尖兵として、RISC-Vは本格的な商用化のフェーズに入ってきたようにも見える。
ライセンスフリー、ロイヤルティーフリーのオープンな命令セット・アーキテクチャー(ISA)として注目が集まっているRISC-Vが、Armなど既存のCPUコアを凌駕する可能性があるか洞察している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は某ICT関連企業のいち半導体部品ユーザー氏である。同氏は、そもそも特定CPUの命令セットが業界標準的な立場になる土壌が今あるのかについて論じ、その上でRISC-Vの存在意義を考察した。
某ICT関連企業
