米中ハイテク貿易摩擦が激しさを増している。米商務省は、2018年4月16日、米国企業による中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)との取引を、今後7年間禁止する決定を下した。同社のスマートフォン事業は米国から輸入する半導体に大きく依存しており、事業自体の存続が危ぶまれる事態に陥った。ZTEとの取引企業は米中だけではなく、日本など世界中に数多くあるため、甚大な影響が予想された。
ところが、6月7日には、一転して米国政府が巨額の罰金支払いを条件に制裁解除を発表した。猫の目のようにコロコロと変わる状況に、当事者となった企業だけではなく、その取引先も翻弄されっぱなしだ。
1980年代の日米貿易摩擦において、日本は米国の要求に直接対峙する立場となり、半導体産業の行方を大きく左右する攻防を繰り広げた。今回の米中貿易摩擦では、直接の当事者ではないが、両国との取引が多い日本の電子産業、さらには装置・材料産業に及ぶ影響は大きい。今回のテクノ大喜利では、激化する米中ハイテク貿易摩擦の日本企業への影響を議論した。各回答者に投げ掛けた質問は、以下の3つである。
【質問2】ZTEとの取引停止のような、ハイテク産業での米中の目に見えた制裁措置は、これからも続くと思われますか?
【質問3】日本企業は、大口顧客である中国企業の事業が突然停止する可能性に対し、どのように備えるべきだと思われますか?
3つの質問に対するそれぞれの識者による回答要旨は、以下の表の通りだ。