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 半導体の世界では、特定の分野で1社が強みを維持し続けることは簡単なことではない。長期にわたって覇者と呼べるような地位に就いているのは、コンピューター向けマイクロプロセッサー分野の米インテル(Intel)、メモリー分野の韓国サムスン電子(Samsung Electronics)くらいとわずかだ。多くの分野で、一時期に技術的優位性を築いた企業も、やがて台頭した新勢力に取って代わられた。

 長く記者生活をしていると、取材の中で企業が凋落するフラグが立ったのを感じることが多々あった。多くの企業は、年末年始に記者懇談会を開く。その中で、多くの記者に囲まれた社長や事業担当役員が、自社の技術力の高さ、他社に対する優位性を、ことさら声高に語っている様子を見たときにそれを感じたのだ。か。サムスンなどアジア勢に敗北する直前の1990年代前半の日本の半導体メーカーがそうだったし、2000年代前半の日本の液晶メーカーがそうだった。そのころの役員はみな饒舌で、自信に満ちあふれていた。

 では、インテルやサムスンはどうか。取材に行くと、役員がいつも語るのは、野心を映したビジョンと危機感だけだった。覇者とは、そういったものなのかも知れない。

 ソニーが打ち出した半導体、特にCMOSイメージセンサーへの巨額投資計画について、その意義やリスク、競合他社、さらには過去の同社の投資戦略の違いなどを議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、今イメージセンサー市場での圧倒的強さを誇るソニーの果敢な挑戦に期待しながら、どのようなリスクがあるのかを徹底的に洗い出した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし)  大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】ソニーの半導体投資強化は、正しい判断だと思われますか?
【回答】正しいというより、事業発展のためにはこれしかないハイリスク・ハイリターン投資
【質問2】サムスングループの半導体・液晶事業と、目指すビジネスに違いがあると思われますか?
【回答】違いがあると思う
【質問3】過去のソニーの半導体や液晶の巨額投資との違いはどこにあると思われますか?
【回答】過去の巨額投資は自社製品向けに特化していたが、今回は外販目的の先行投資